チベット、経済発展による海外旅行ブーム始まる


 チベット自治区の対外開放と共に、益々多くの海外旅行客がチベット旅行の夢を実現しているが、富裕になったチベット人も海外旅行を楽しみ始めた。

 チベット自治区旅行局海外旅行責任者である晋美氏は「2003年度には300余名のチベット人が海外旅行に行きました。2002年度より約200名も増えていて、チベットでは密やかに海外旅行が流行りだしています。毎年チベットに旅行する5〜6万名の海外旅行者の数からいえば、ささやかな人数ですが、チベット人から言わせれば大変なことなのです」と語った。

 かつてチベットは中国の最貧困地区で、生活レベルは低く、交通は不便で、チベット人が海外に出ることは非常に困難であった。1997年以前にチベットから出国した旅行者は、毎年20余名に過ぎなかった。

 中央政策と財政的支援により、チベットの経済は飛躍的に発展し、1994年以降は一貫して全国平均水準より高い二桁の速度で成長し続けている。

 チベット自治区旅行局の王文佩副局長は「生活が富かになり、海外旅行者が多くなったチベットでは、農民、牧民を含む多くの人が海外に出て外界を知りたがるようになるでしょう」と述べている。

 晋美氏は「チベット人の自治区外旅行は、主としてシンガポール、マレーシア、タイを含むアジア旅程、ヨーロッパ7カ国旅行です。チベットは高原地帯で冬季は寒さが厳しいので、温暖湿潤な東南アジア各国はチベット人にとって非常に魅力的なのです。約70%のチベット人が、平均費用6000〜7000元程度の10数日のアジア旅程を選んでいます」と説明してくれた。

 人口270余万人を擁するチベット自治区の出国旅行者の多くは、ラサ、ロカ(山南)、シガツェなどの相対的に経済が発達した地区に集中している。王文佩氏は「チベット人の生活レベルの向上に伴って、さらに多くのチベット人が海外旅行に行くようになるでしょう」と語った。

                     「チャイナネット」 2004/07/30