21世紀の観光は「休養」が新テーマに


  観光業界関係者は「自然を堪能する観光に比べると、世界保健機構(WHO)が提唱する21世紀の家庭健康医学モデルを取り入れた『休養』がテーマの観光が今世紀に入り、世界の大きな流れになっている」と指摘する。

 この流れに合わせるように、医学、観光、財務などの分野で国際的な専門家が心理・生理・健康を重視したモデル地区の建設をめざし、1年半の時間をかけて計画の策定や事業化前調査を行ってきたが、その第1号となるモデル地区がこのほど、山東省威海市の「仙山の祖」と呼ばれる聖経山の観光文化景勝地に完成した。

 威海市は2003年に「国連人間居住賞」を授与された国内で唯一の都市。3面が海に囲まれ、年間平均気温は12℃、四季通じて湿気はなく、霧も降りない。国内最大のブドウの生産地、海産物の養殖基地でもある。8カ所にアジア最大といわれる地熱温泉があり、陽光が燦燦と降り注ぎ、3万羽を超す白鳥やカモメが飛翔する風光明媚なところ。

 国際平衡医学研究会々長で聖経山観光発展有限公司の羅偉凡会長によると、「休養」を一貫して主張する平衡医学システム論とは、人体機能生態の平衡原理を応用して、発病の原因から一般的な慢性難病を診断し治療する、治療とリハビリ、予防、保健を一体化させた新興の学科。WHOが提唱する21世紀の家庭健康医学モデルの考え方や実践に大きな役割を果たし、人類の『終身病』の制服に歴史的な1頁が開かれた。

 羅会長は「国際平衡医学研究会が聖経山に心理・生理・健康を重視するモデル地区を建設するという情報が伝わって1年もたたないうちに、米国や日本、スイスなど19カ国の代表が国際チェーン経営に向け商談に訪れた。このモデル地区の建設は、国内の休養をテーマにした観光業に国際的な影響をおよぼすだろう」と話している。

 休養型観光は現在、国内で最もホットで発展と成熟の待たれる産業。威海は北京や上海、日本、韓国から飛行機で約1時間半の行程。観光客数はすでに延べ110万−150万人に達している。観光・医学関係者は「今後、威海への観光では聖経山がスポットになる」と分析している。

                          「チャイナネット」2004年8月4日