「伝染病ゼロモデル団地」
建設で肉類製品の品質が向上・海南省


 「家畜法定伝染病ゼロモデル団地」を建設した海南省では、家畜類製品の品質が大幅に向上している。

 同省は1999年、国の認可を得て国内最大面積を誇る家畜法定伝染病ゼロモデル団地の建設に着手した。規定された期限内に口蹄疫や豚コレラ、ニューカッスル病、鳥インフルエンザなど国が規定した家畜法定伝染病は発生しておらず、家畜類や製品、動物性飼料、動物遺伝材料、獣用生物製品の流通も有効に管理されるようになった。

 2003年9月、同モデル団地は国の検査に合格。家畜伝染病の抑制、防疫の監督、伝染病発生の監視、防疫の実施対策の4大システムがほぼ構築され、防疫体制や獣医管理モデルは国際レベルに近づきつつある。

 団地ではこの数年、世界動物衛生機関が規定する豚コレラ、高病原性鳥インフルエンザなど重大な伝染病は有効に抑制されている。とくに2003年に、海南省周辺の広西チワン族自治区や広東省などで相次いで高病原性鳥インフルエンザが発生したが、モデル地区には感染せず、家畜類製品はより幅広い信頼を得た。

 製品の品質向上は山東省の?東半島、遼寧省の遼東半島、四川盆地、東北地方の松遼平原にも建設された家畜法定伝染病ゼロモデル団地でも証明された。豚や鳥類、牛、ウサギなどの製品の競争力は強く、牧畜生産高で全国の10%以上を占める。これら4カ所のモデル地区も国の検査に合格しており、対象地域は合わせて36市、233県におよんでいる。

 農業部の国家首席獣医で獣医局の賈幼陵局長によると、5カ所の無家畜法定伝染病モデル地区では発病率と死亡率が著しく低下しており、家畜類や製品の品質も大幅に向上した。 中国は家畜類製品の生産・消費大国であり、2003年の肉類生産量は6932万トンと、世界の総生産量の27%を占めてトップを占めた。

 農業部の範小建副部長は「家畜の衛生は人類社会の3大公共衛生の1つであり、試算によると、伝染病がもたらす家畜の死亡で直接的な経済損失は年間238億元、農民1人あたり26元の損失を被っている。今年初めに一部の地区で発生した高病原性鳥インフルエンザでは、養鶏業者にもたらされた経済損失は180億元にのぼった。モデル地区の開設は国際的に通用する方法であり、わが国は5カ所の建設である程度の経験を蓄積したが、今後は国情に合った家畜伝染病の予防・治療モデルを模索し、全国範囲で普及させていく。長期にわたって実効性のある予防・治療メカニズムを早急に確立し、できるだけ早く国際基準とリンクさせて、家畜類製品の安全を真に確保していく」との考えを強調した。

                            「チャイナネット」2004年8月4日