上海、エアコンのエネルギーに天然ガス利用を推進


 上海市人民政府スポークスマンの焦揚氏の話によると、同市政府建物内のエアコンのエネルギーには、天然ガスが利用されている。

 焦揚氏は定例記者会見で、いまのところ、上海で天然ガス利用のエアコンの占める割合はまだ低いが、市政府として、効果的な措置を取り、天然ガス利用エアコンの利用を強力に推し進め、エアコンの利用によって生じた電力の逼迫を緩和させると語った。

 データによると、今年、上海市の電力利用ピーク時(6月15日―9月17日)における市民のエアコン利用による毎日の電力消費は600万キロワット時から800万キロワット時に達しており、上海の一日の電力負荷の約半分を占めている。上海市だけでなく、その他の地域においてもエアコンによる電力消費が電力利用ピーク時の40%以上を占めている。

 中国電力企業連合会顧問の朱成章氏は、「天然ガスのあるところでは、天然ガスで冷房、暖房を稼動させるべきだ」とアドバイスしている。ある専門家は電力利用のエアコンを天然ガス利用のエアコンに取り換えることにより、夏季の天然ガス利用のオフシーズン需要減を補えるのみならず、夏季が電力利用のピークになることを避けることもでき、環境保全、省エネ、エネルギー構造改善の一石三鳥の効果も挙げられると指摘している。

 上海同済大学の竜惟定教授は、エアコンのエネルギーに天然ガスを使うことは合理的な選択肢である」と主張している。

 同氏は国際冷凍学会エアコン委員会委員長でもある。同氏は、エアコンの利用には季節性、間歇性、不安定性が目につき、どの都市にとってもエネルギー供給面で大きなプレッシャーとなる。夏は暑く、冬は寒いというような地域では、毎年、エアコン冷房が利用されるのはわずか1000時間から2000時間で、設備利用率は非常に低いと分析している。

 焦揚氏は、また、電力利用ピークをスムーズに乗り越えるため、上海市はさまざまな対策を講じおり、その中では、天然ガス利用エアコンを推奨することも含まれており、ホテルやオフィスビルなどの大きな大型建築物の天然ガス利用エアコンの使用を全力をあげて助成すると語っている。

       「チャイナネット」2004年8月10日