中国の「戸籍法」の早期発布を専門家がアピール


 北京大学の世界現代化プロセス研究センターの董正華教授は五日、中国社会の「二元化構造」を解消し、農村と都市の発展を全面に計画、按配し、「バランスのとれた成長」を実現するため、「戸籍法」の発布が必要であると述べた。

 今月の五日に、中国科学院中国現代化研究センター主催の第二回「中国研究フォーラム」が開幕。その席で、董正華教授は特別講演を行った際、上述のようにアピールした。中国社会の「二元化構造」と「三農」(農業、農村、農民)問題は主に不健全な体制によって招来されたものである。今や全国各地で戸籍制度改革が進んでおり、立法の基本的な条件はほぼ整っている。都市と農村の「二元化構造」から「一元的構造」への転換を完成させるには、「戸籍法」の発布は一刻も早く解決すべきことである。国民の移住の自由が法律の形で確定されれば、出稼ぎ労働者は自由の身となり、積極的に都市で働くことができるとともに、都市の企業と資金が都市の外での発展を目指すことも可能となる 。

 農村の都市化プロセスは中国の都市、農村の「二元化構造」問題を解決する根本的な方途だ。都市化プロセスは現代化の基準として国際的に認められているが、中国における都市の発展は長期にわたって現代化より遅れていた。そして、資源と環境の制約で、大中都市にとっては規模を拡大する潜在力が欠けている。そのため、現存の中小都市を発展させる以外に、農民が自立的に都市づくりに取り組むことも認めるべきだと現代化専門家の董正華は語っている。

 実行可能な案として、これまで優れた農村企業を基礎として、工業化が実現した郷、村を都市クラスに昇格させ、大都市を中心とした都市ベルトを形づくり、「都市−郊外−農村」を一体化すること。董正華教授によると、中国の都市化プロセスと「都市―農村」二元化構造の改革にとって上述の案は重要な方途である。そのほか、アメリカにおける西部開発と民間による「都市づくり」の経験を学んでもよい。

                       「チャイナネット」 2004/08/16