貧困地区の女性に健康を送り届ける「母親のための直通車」


 陝西省千陽県南寨鎮の女性の劉紅さんが出産の際に、大出血で命の危険にさらされたが、「母親のための直通車」で直ちに地元の病院に送り込まれ、応急手当でやっと一命を取りとめ、かわいい赤ちゃんが何ごともなかったように生まれた。これは「母親のための直通車」プロジェクトのおかげである。貧困地域の女性たちに「健康理念・保健知識・健康増進のサービスを送り届ける」ことを主旨とする「母親のための直通車」プロジェクトは中国の一部の地域で実施されて以来、すでに160万人がその恩恵をこうむっている。

 2003年7月に実施された「母親のための直通車」プロジェクトは「中華全国婦女連合会」と「中国国務院婦女児童工作委員会弁公室」が発起し、「中国婦女発展基金会」が運営を引き受けた公益性プロジェクトである。このプロジェクトでは、巡回医療車の形で、貧困地区で基本的な保健知識の普及、健康についての諮問サービス及び無料の診断を実施し、女性に対し徹底的な健康診断を行い、医薬品やさまざまなパンフレットを無料で配布し、妊産婦の入院と退院の際の無料搬送や末端組織の医療スタッフの養成及び特殊患者へのマン・ツー・マンの救助を繰り広げ、貧困地域の女性の婦人病発病率と妊産婦の死亡率を低下させ、貧困女性の健康レベルを向上させることが主な目的である。これまで、中国の西部地区では、貧困女性たちは保健知識が乏しく、健康の大切さに対する認識が不足しているため、婦人病などの病気が農村の女性たちの健康に大きな影響を及ぼしている。妊産婦と新生児の死亡率も沿岸の経済の発達している地域より高い。

 第一陣の「母親のための直通車」プロジェクトが実施された陜西省では、現在、106台の「母親のための直通車」が貧困地域の女性の健康増進に携わっている。これまでに、すでに13万人の女性・児童に対し健康診断を行っており、妊産婦の搬送も5万回に達し、生命の危険に脅かされた妊産婦及び一般女性の患者の入院、転院時の搬送、救援は1万回以上に達し、26万人が健康相談を受けている。現地では「母親のための直通車」は女性たちの間で、非常に喜ばれ、「母なる車」、「救命の車」、「妊産婦の守護神」などとも呼ばれている。「中国婦女発展基金会」の張文氏によると、現在、210台の「母親のための直通車」が陝西省、貴州省、重慶市、遼寧省などで女性たちの健康増進のために活躍している。寄付金が逐次充実するにつれて「母親のための直通車」プロジェクトは中国全土の貧困地域で実施されることとなる。

                        [チャイナネット] 2004年8月27日