「幸福度」調査、全国範囲で実施へ


 「あなたは幸福ですか?」 一連のデータや問答調査から、この抽象的な問題にじき明快な答えが出るかも知れない――。

 世界の心理学界に初のノーベル賞をもたらした米プリンストン大学のカーニマン教授は先ごろ北京で開かれた会議に出席し、中国が全国範囲で実施する「幸福度」調査に協力する意向を明らかにした。ただ中国側は「国情に合った評価基準が制定されることを最も望んでいる」との考えを示した。

 中国心理学会の張侃理事長は「現在、1つの国の発展水準を評価する場合、1人平均GDP(国内総生産)だけでなく、大衆が感じている幸福度、つまり物質的な豊かさのほかに、精神的な充足度にも目を向ける、というのが世界的に流行している観点だ。だが、中国にとって最も切実な問題は、国情に合致し統一された基準が制定されることであり、こうしてこそ科学的な評価を得ることができる。それには科学技術、品質管理、教育、民政といった政府の管理機関の支持と協力が必要だ」と指摘している。

 外交部は張侃理事長の見解に支持を表明。外交部は昨年、職員採用に当たり初めて「心理測定システム」を導入したが、幹部司(職員採用担当部署)によると、この試みは思ったほどの効果を上げず、中国の国情にも合わなかったことから、今年はこのシステムは採用しなかったという。

                          「チャイナネット」 2004/08/27