中国、民間航空機に空中警察を配備


 中国リポートの時間です。中国民間航空空中警察隊はこのほど設置されました。空中警察はそれぞれの航空会社に派遣され、勤務していて、その任務は、飛行機と乗客の安全を確保し、机上での不法活動を制止することです。中国民間航空空中警備専門家は「空中警察隊の設置は、テロリストによるハイジャックを取り締まり、航空の安全を保障する重要な措置である」としています。

 新しく設置された空中警察隊は、2000人からなり、航空機に乗り込んで勤務し、机上で警備の任務に当ります。中国の民間航空はこれまでの50数年、安全事件の発生率が非常に低いものです。それにしても、警備活動は、民間航空活動のなによりの重点とされています。

 空中警察隊の設置についての評価活動に加わった中国民間航空学院空中安全研究所の林泉所長は「現在、世界でテロ事件が頻発している。民間航空部門は、起きる可能性のあるハイジャック事件や、定期便を狙ったテロ襲撃に注目すべきだ」と強調し、さらに「中国民航総局は、民間航空の安全を一貫して重要視している。アメリカでの同時多発テロ事件が起きる前、我が国の飛行機に警備員が配備されていた。この事件の後、政府が安全の面で投資を増やし、空中警察を配備することになった」と述べました。

 伝えられるところによりますと、中国の航空会社が経営している航空路は、1000路線あまりあり、中国民航総局はこれに対し安全評価を行い、その結果に基づいて、また航空安全管理の経験に基づいて、2000人の空中警察を国際線や敏感な国内線に勤務させています。一便に一人か二人の空中警察が搭乗し、テロ襲撃を制止するほか、乗客が机上で携帯を使ったり、座席や荷物棚を強引に使うことなど、飛行の安全を脅かす行為を制止します。

 新しく設置された空中警察は、中国警察の一部で、空中の警備をしているところ、法律の基づいて容疑者に事情を聴取したり、一時的に拘束したり、現場で処分を与えたり、兵器を使ったりすることができます。

 伝えられるところによりますと、第一陣の2000人の空中警察は、これまでの空中警備員と普通の警察から選ばれたもので、知恵や体力、格闘、外交の面で高いレベルに達しています。

 中国民間航空学院空中安全研究所の林泉所長は「空中警察の活動の環境が特殊なものである。机上で突発的な事件が起きた場合、墜落など死傷者を出す悲惨な事故を避けるのは、一番の任務である。このため、腕前が上手なだけでなく、良好な心理的要素も重要だ」と述べ、さらに 「最も大切なのは二つである。一つは、良い職業道徳を持ち、危険を恐れず、犠牲を恐れない精神であり、もうひとつは、心理的質素がよいことである。極悪非道なテロリストや突発事件に対し、冷静を保ち、巧みに対処するのは非常に重要だ」と述べました。

 関係者によりますと、10月1日までに2000人の空中警察がすべて航空会社の勤務先に付く予定です。中国の民間航空事業の発展に伴って、空中警察の人数がますます増えるものと見られます。

                              CRI 2004/08/30