「長江流域生態データベース」の雛形が完成


 長江流域の生態の現状は、土砂流失はどれほど深刻か、生態の整備はいかに展開すべきか、といった問題は、「長江流域生態データベース」を検索すれば回答が得られる――。

 長江水土保持局が進めてきた長江流域の生態データベースの雛形がこのほど完成した。データベースには、流域内の半数近くにのぼる重点地域の土砂流失や、生態整備の進展状況などに関する資料がインプットされている。

 長江流域は全国でも土砂流失がかなり深刻な地域。全流域で土砂流失面積は62万平方キロを超えており、土地の退化、生態環境の悪化など重大な環境問題に直面している。

 水土保持局は2000年からこれまでに三峡ダム地区や、「南水北調」(南方の水を北方に送るプロジェクト)中部ライン工事地区に位置する水源地帯、嘉陵江流域の3大重点地域で、約800万元を拠出して土砂流失の動態監視を開始。その結果を基に、基礎データや土地利用の現状、植生被覆、土壌浸食の現状などの資料をデジタル化した生態データベースを構築した。

 同局の胡甲均局長は「今年から来年にかけて、金沙江の下流と洞庭湖水系、ハ陽湖水系でも土砂流失の動態監視を始めるが、これにより長江流域で土砂流失総量の80%を占める6大重点地域で監視作業が実施されることになる。すべての分析資料をインプットすれば、データベースはほぼ構築される」と説明している。

                          「チャイナネット」 2003年8月31日