北京五輪の施設計画見直し 新設会場数も削減へ


 2008年北京五輪のメーンスタジアムである国家体育場(愛称:鳥の巣)の設計プランが再検討されることになり、再び注目を集めている。鉄鋼使用量は当初計画の5万5千トンから1万トン削減し、開閉式屋根の設置をやめるなど、建設費用2億5千万元を直接に削減する。同時に、建築物の構造上の安全性を大幅に高める。現在、他施設の見直し作業も進行中だ。

 国家体育場をめぐるこうした変化は、五輪施設建設計画全体の動きを象徴している。北京五輪に使用する競技施設は30カ所で、このうち18カ所の建設は北京市が担当する。既存施設を十分に検討した結果、市は新規建設を当初案の10施設から5施設に減らす一方、既存施設の増築・改築や臨時施設の建設を増やすことを決定した。練習用施設は60カ所のうち、競技施設の付属施設20カ所を除く残りの40カ所は、すべて既存施設を利用する。

 「節約型」の五輪開催は、五輪開催準備に関する中国共産党中央委員会や国務院の重要な指示を受けたものだ。2001年末の北京五輪委員会成立大会では「勤勉節約の五輪運営方針を貫徹し、投資額を節約し、経済効果に留意する」方針が明確に打ち出された。

 五輪施設計画の新たな見直しの中で、北京市は新設プランの改善と配置の調整、既存施設の利用率向上などのほか、新技術と新材料の大幅な採用により、品質と建設コスト圧縮の両立を図る方針だ。これにより、一部施設では完工予定が2006年末から2007年に、または着工予定を2004年から2005年に延期する見通し。

                          「人民網日本語版」 2004年9月7日