エネルギー利用効率は大幅に向上・中日経済交流会での報告


  中日経済知識交流会の第24回総会がこのほど甘粛省の省都蘭州で開かれ、国務院発展研究センターの李泊渓研究員が、過去20年にわたる中国のエネルギー事情について報告した。この中で李研究院は、国内総生産(GDP)は4倍増えたがエネルギーの消費量はわずか2倍しか増えていない◆エネルギー利用効率は大幅に向上した◆環境はかなり改善された――の3点を強調した。

 1次エネルギーの消費量は2002年に標準炭で14億8000万トンにのぼり、世界第2位となった。1980年から2000年までにGDPの年平均成長率は9.7%に達したが、エネルギー消費量は同4.6%と、同期間の経済成長率をはるかに下回り、エネルギー消費弾性係数は0.47。

 エネルギーの利用効率面では、対GDP消費量は低下し続けている。2000年の不変価格で算定した場合、GDP1万元あたりの標準炭の消費量は、1980年は4.28トンだったが2000年に1.45トンまで減少した。20年のうち生産高に占めるエネルギー消費量は64%も減少しているが、同期間の世界平均は19%の減。

 1981年から2002年にかけて、省エネ対策が奏効したことから、二酸化炭素の排出量は累計で約7億7000万トン、二酸化硫黄も1900万トン以上減少した。また1980年代以降、広大な農村部で現地の実情に即したエネルギープロジェクト、メタンガスや小規模水力発電の開発や省エネ技術が推進されたほか、都市部でも省エネ対策を実施。さらに太陽エネルギーや風力エネルギー、地熱エネルギーなど様々な新エネルギーが開発・利用されてきた。この十数年間に様々な措置が講じられてきたことで、一般商品について言えば、年間にして約3000万トンの標準炭を節減、2000万トンに相当する二酸化炭素の排出を抑制することができた。

 李研究員は「こうした成果が、産業構造の調整や経済体制の改革、実効性のあるエネルギー政策を実施していく上でプラスになることを肌で感じることができた」と強調した。

                         「チャイナネット」 2004/09/10