東北地区三省、経済協力体制が始動


 東北地区三省は長期にわたって経済が低迷し続けていた。中国政府の打ち出した東北地区の経済振興戦略を実施するため、遼寧省、吉林省、黒竜江省の東北地区三省は、経済協力において共通の認識に達し、三省の間の新しい経済協力体制が始動した。

 東北地区は、中国の「第一次5カ年計画」期に建設に力を入れた国の重要工業基地であり、中国の工業化発展プロセスにおいて多大な貢献をした。今年に入って以来、東北地区三省の経済は、中国政府の在来工業基地振興政策施行によって、新たな発展期に入った。経済の一体化発展に適応するため、東北地区三省の政策決定部門及び政府関係部門は、協力体制を構築し、経済発展における重要問題について、定期的に意思疎通を行い、情報の独占、自らの利益のみを考える閉塞的な状況を打破し、生産財のスムーズな流通が可能な統一市場を築き上げるという共通の目標を作成した。三省の責任者は、国の政策指導の下で、域内において重要な経済発展計画・立案に共同参画し、重複したプロジェクト建設を回避し、商品の流通コストを引き下げ、規模経済の効果を形成させ、科学的な分業と連携を行い、互いに競争しながら経済の発展を目指すようにしている。

 今年になってから、東北地区三省は、国有資産の整理、統合、統一的経済基盤の建設において際立った進展を見せている。遼寧特殊鋼グループ有限公司と黒竜江省北満特殊鋼グループの合併は東北地区の大型国有企業の再編における重要措置であった。新しい企業は、9月23日に正式に始動することとなり、年間の特殊鋼生産量は300万トン、売りは上げ100億元にのぼものと見られ、中国最大の特殊鋼生産企業となる。

 これと同時に、遼寧工作機械業界とチチハルの工作機械業界の間でも、再編の動きが現れており、中国最大の工作機械製造基地の誕生も間近かに迫っている。経済基盤の建設において、黒竜江省と吉林省はそれぞれ大連港の建設に参入する意向を示している。三省はまた、ハルビン、大連間の高速鉄道建設において連携し、ハルビン、大連経済ブロック建設の強化に務めている。

 経済専門家によると、ハルビン・大連高速鉄道を軸とした大連、瀋陽、長春とハルビンの4大都市経済圏は、東北地区三省経済の大動脈であり、東北地区の自動車、機械設備、石油化学工業と冶金工業などの主要企業が集中している。東北地区三省の経済協力体制の始動は、東北地区の在来工業基地の振興をより一層加速させることになろう。

         「チャイナネット」  2004年9月17日