70人の専門家と学者らは「甲申文化宣言」を発表 
文明の「優劣」を区別することに反対


 「われわれは、偏見と敵意を減らし、隔たりと誤解をなくすため、文明の間で行われる対話を主張する。われわれは、異文明を排斥する狭隘なナショナリズムに反対し、優劣によって文明を区別することには一層反対する」と2004文化サミットフォーラムの閉幕式の場で、70人の専門家と学者らがともに署名した「甲申文化宣言」が発表された。

 同宣言によると、「グローバル化」というはっきりと目にすることのできる時代の趨勢は、人類の現代文明、特に科学技術の成果と企業の運営経験の世界的範囲での分かち合いを促進する一方、国家間、民族間および地域間に存在する差異、食い違いと衝突が深刻化している。この状況に対し、許嘉?、季羨林、任継愈、楊振寧、王蒙ら五人の発起者の提議に応じて、中華民族文化促進会の招きで、2004年(中国の旧暦の「甲申年」にあたる)の9月3日から5日にかけて北京で「文化サミットフォーラム」が催され、席上、国内外の同胞と国際社会に向け、われわれの文化についての主張を表明することとなった。

 諸国と民族のいずれも(1)自らの伝統文化を保存し発展させる義務と権利を持つ(2)外来の文化を受け入れる、不完全な形で受け入れる、または具体的な分野においての外来文化を拒否する自由を持つ(3)人類全体の直面する文化の問題に対し、意見を発表する権利を持つと同宣言は主張している。

 「中華文明には、人格と倫理を重んじ、利他的な考えと社会関係のバランスを重要視する東方の品性、平和的な雰囲気を作る人文精神が共存し、利己至上、物欲至上、悪性的な競争と自然資源に対する収奪的な開発など、当面の社会現象を考え、それを解決し、人類の安定と幸せを追求することに重要な啓示をもたらすものである」と同宣言には述べられている。

 同宣言は(1)中国政府を含む世界諸国の政府は効果的な文化政策を実行する(2)世界文明の多様性を維持し、異文明を尊重し理解することに努め(3)諸国、諸民族の伝統文化を保護する(4)諸文化形態の表現と伝播の平等の権利を実現させる(5)国民教育、特に未成年の文化とモラルの教育を広げ、国家、民族および地域間の文化交流を奨励することなどを呼びかける。

 関係筋によると、国内外の芸能界、社会科学界、マスコミ界、科学技術界の代表的な人たちは「2004文化サミットフォーラム」に集い、講演やスピーチや書面による発言などの形で、グローバル化および中華文化に対する理解と認識をめぐって討論・交流した。「甲申文化宣言」はまさに彼らの思考と主張の集中的な表われであった。

       「チャイナネット」   2004/09/17