植物セツレンカから耐凍結性遺伝子を分離


 新疆ウイグル自治区の農業科学院微生物応用研究所はこのほど、天山山脈の1号氷河で採集した雪蓮花(セツレンカ)から耐凍結性を備えた蛋白質遺伝子を初めて分離することに成功したと発表した。

 この研究は1999年に国家自然科学基金プロジェクトとしてスタート。これまでに31万元(1元=約13年)が投入されている。

 プロジェクトに従事した艾秀蓮研究員によると、新疆ウイグル自治区は春にかけて晩霜やひょうなどの異常気象に見舞われるため穀物の生産量が減少、あるいは収穫ゼロの時もあるという。高山に生息するセツレンカは耐凍結性を備えた生命力の極めて強い、天山山脈でも最高緯度に生息する唯一の高等植物。そのため、“体温”を有効に蓄えるセツレンカの生理的機能の活用に高い関心が集まっていた。分離し抽出された耐凍結性を備える蛋白遺伝子を植物キャリアとして、綿花や小麦、水稲、トウモロコシなどに転移させれば、耐寒性が増強されることから、これまで4月から5月にかけて被ってきた経済的損失は減少し、栽培時期も前倒しすることが可能。またハウス野菜は低温下でも生長することができ、資源や資金投入の節減にもつながる。耐凍結性遺伝子の活用で、四季を通じて緑を保持できることもできる。

 艾秀蓮研究員は「2、3年後には耐凍結性遺伝子を持った種子を育成して、新疆に寒さに強い農産物を栽培させたい」と話している。

         「チャイナネット」  2004年9月20日