第十版の「新華字典」の販売数が1000万冊を突破


 商務印書館筋によると、最新版の「新華字典」は約一年の間に1000万冊の販売を突破したということである。

 中国初の現代中国語の規範辞典として、「新華字典」は1953年に出版され、これまでの50年間に、累計販売冊数が4億冊を突破。「新中国の成立後に、できたばかりの中央人民政府出版総署の編集審査局は辞書の編修にあたる『新華辞書社』を創立。『新華字典』には新しい中国と新しい字典という二重の意味が含まれている」と「新華字典」の最初の編修者である劉慶隆先生は語っている。

 王府井(ワンフーチン)の「新華書店」で目にした第十版の「新華字典」は「中国の紅」を採用し続け、デザインの細かいところだけ調整を行った。様々なレベルの読者に向けて、「新華字典」は三つの版の形、つまり、普及版、二色刷版、大きな文字の版に分かれている。

 中国社会科学院言語研究所の編修関係者によると、第十版の「新華字典」は第九版に比べると、比較的大きな変化が見られ、「規範性、科学性と時代性」をより一層具現するものになった。実は、出版50年後に、五年ぶりに改訂された「新華字典」の時代別の特徴は著しいものがある。

 ビデオカメラのように、「新華字典」は新中国の誕生から現在までの55年の変遷を記録し反映するものとなった。当初、「新華字典」には特殊の時代的特徴が刻印され、「生産隊」、「人民公社」、「毛主席万歳」など政治的な専門用語が収録されていたので、「新華字典」は「政治の教科書」とも見なされていた。20世紀の90年代に入ると、「新華字典」は「租借地」、「愚民政策」、「鉄の鍛造」などあまり使われない言葉をデリートし、「インターネット」、「ハッカー」、「クローン」、「先物取引」、「海賊版」、「ホワイトカラー」、「ベッドタウン」など百以上の新語も収録されるようになった。最近、字典の編修には環境保護の意識もにじみこんでおり、国に保護されている動物と植物の説明に「食べることができる」との内容もがデリートされ、逆に「国家保護動植物」のような言葉もつけられることになった。

                             「チャイナネット」 2004/09/27