中ロ首相第9回定期協議、共同声明の摘要


  ロシア公式訪問中の温家宝国務院総理は24日、ロシアのフラトコフ首相と「中国・ロシア首相第9回定期協議共同声明」に調印した。声明の摘要は次のとおり。

 双方は、両国首相間のホットラインの開通を発表した。双方は、ホットラインは政治面における相互信頼の強化や、協力の中で生じた問題の解決に役立つとしている。

 中国は、ロシアの世界貿易機関(WTO)への早期加盟を支持することを再度表明した。今回の首相定期協議で、ロシアのWTO加盟に関する中ロ間の協議は順調に行われた。

 双方は、中ロ間貿易額が2010年には600億ドルを超えるよう努力する。

 中国は、ロシアにおける天然資源やエネルギーの開発、インフラ建設、加工・製造業などへの投資を拡大していく。ロシアは、これに対し便宜を図っていく。

 双方は、石油や天然ガスの領域における協力プロジェクトの実行を引き続き推進することを再度表明した。これには、中ロ間の石油パイプライン建設プロジェクト、両国国内における油田・ガス田の共同開発などが含まれる。両国首相は両国政府主管部門に対し、「ロシア・イルクーツク州コビクタ・ガス田パイプラインの中華人民共和国と韓国への建設、およびコビクタ・ガス田の開発における国際的経済技術の実行可能性の論証報告」を両国政府が審議した上で、コビクタ・ガス田プロジェクト実施の将来性を評価するよう指示した。双方は、互恵を基礎とした上で、ロシアから中国への鉄道による石油輸送の拡大を支持する意向を表明した。双方は、両国間の石油貿易拡大支持に関する政府間協定について研究を進めていく。

 核エネルギーの平和利用における協力拡大には、原子力発電所の建設や、核燃料の循環などにおける協力が含まれる。

 宇宙飛行の領域における、1つから複数の協力プロジェクトを確定し、または協議を進め、今後の共同実施に役立てる。

 双方は、テロリズムの脅威が現在絶えず増大していることを指摘し、あらゆる形によるテロリズムに対する厳しい非難と、テロリズム攻撃における協力強化を表明した。また双方は、世界全体のテロリズム攻撃において国連が主導的役割を果たすべきだと強調し、国連と安全保障理事会のテロ対策部門によるテロ対策措置に対する支持を表明した。双方は、テロリズム攻撃には「国連憲章」の目的と原則、および公認された国際法準則を厳格に守る必要があるとし、世界全体の反テロ条約に全ての国が参加するよう引き続き促進し、これに関連する義務や国連安保理の関連決議、特に1373号決議を履行していくとの方針を示した。双方はさらに、国連での国際テロリズムに関する全面条約と、核によるテロ行為の制止に関する国際条約の最終的な採択に向けて引き続き注力しなくてはならないと指摘した。

                         「人民網日本語版」 2004年9月26日