中国の長江デルタ地域に世界第6の大都市圏


 このほど、「第1回世界大都市ベルト地帯発展フォーラム」が江蘇省南通市で開催され、世界の25カ国43の都市の120人の市長、専門家たち、中国の長江デルタ地域主要都市の市長たちがフォーラムに参加した。長江デルタ地域は、世界で最も経済成長が速く、巨大な潜在力のある地域で、中国の3つの都市圏の中で、最も将来性のある都市圏と見られている。前世紀の中頃、フランスの地理学者のジャン・ゴートマン氏が、「大都市圏」の理念を提起した時に、上海を中心とする長江デルタ都市圏とアメリカ北東部太平洋沿岸都市圏、北アメリカの5つの湖の都市圏、日本の太平洋沿岸都市圏、欧州北部都市圏及びロンドン都市圏とともに「世界の6つの都市圏」と見なした。

 前世紀の90年代から、長江デルタ地帯は10年連続して経済成長率が世界をリードし、中国の都市化の推進、国際化と現代化プロセスの加速において、極めて大きな役割を果たしている。上海と江蘇省の南京、鎮江、揚州、泰州、南通、蘇州、無錫、常州及び浙江省の杭州、嘉興、湖州、寧波、紹興、台州の16の都市もすでにこの地域の経済発展の中心となっている。

 2004年の上半期に、この16の都市は、中国の1%の土地面積、6%の人口で中国のGDPの21.6%、貿易総額の34.9%、外資利用総額の48%を創出することになった。1997年には、長江デルタ地帯の15の都市で、長江デルタ都市経済協議会が組織され、都市間の連携による経済発展の加速を模索されるようになった。

 上海市副市長の唐登潔氏は次のように語っている。「長江デルタは中国のWTO加盟により、国際資本が中国の製造業に大挙進出するようになったことを契機として、地域交通網の整備、統一市場の構築、地域全体における生態系環境の保全、観光客輸送網の整備などを通じて、地域情報資源の共有を実現し、地域連携をより即応性のある、より良い、より効率的で、より調和性のあるものへと推し進め、優位性の相互補完、地域経済の全体的発展を実現することになった。」

 現在、長江デルタ地帯の外資利用総額がすでに3000億ドル以上に達している。数多くの輸出型企業が育っており、長江デルタ地域の経済の国際化レベルは大きく向上している。上海をけん引役とする長江デルタ地帯は、すでに中国で経済がもっとも発達し、最も活力のある地域となっている。

 中国科学院持続可能発展戦略研究の首席学者の牛文元氏は、「世界の経済学界は、中国の都市化建設とアメリカのハイテク産業の発展は21世紀における人類の発展プロセスに影響を及ぼす重要な要素となっており、都市化の成功は、中国の成功を意味していると指摘している。長江デルタ都市圏は、中国都市化発展のモデルであり、中国都市化発展の代表的存在でもある。中国経済の発展がより多くの都市に浸透するにつれ、とくに、長江デルタ、珠江デルタ、京津唐(北京市、天津市、唐山市)の3つの都市圏に波及するにつれ、この3つの都市圏は近い将来、中国経済の発展を支えると同時に、世界経済の発展のけん引役となる」と分析している。

         「チャイナネット」 2004年10月8日