欧米の貿易障壁を回避して、
中国の家電製品が中東地域に進出


∇「中東地域に適したタイプのテレビ」を全力で開発

昨年、エジプトで行われた中国家電製品博覧会が大成功を収めたことを受け、中国家電製品メーカーは初めて中東家電市場の巨大な潜在力を認識した。その後、海信電気、長虹グループ、康佳グループなどの家電メーカーが相次いで、中東地域を自社の新しい家電販売地域に組み入れ始めた。

最新の情報によると、海信電気は中東地域専用のテレビを開発し、中東地域に輸出したばかりである。全部アラビア語を使った画面で、すでにSASO認証(中国の3C認証に相当)を取得しており、中東のあらゆるチャンネルをカバーすることになっており、これは中東タイプテレビの特徴である。海信電気のスタッフの話では、カルチュアの違いが大きいため、技術陣は現地の言語に適応、受信方式を現地のニーズに合わせるため数多くの難関を克服した。

これに類似した状況は長虹グループでもみられた。昨年5月、長虹グループの100万台の「デジタル衛星カラーテレビ受信機」がイラクに輸出され、中国家電メーカーの戦後イラク市場進出の先陣となった。

∇欧米に次ぐ大きな家電市場

これまでは、北米大陸、ヨーロッパ、中国は世界の3大家電消費市場であったが、現在、中東地域も中国家電メーカーにとって、第4の家電市場になりつつあり、中東市場への期待感がますます高まっていると海信電気関係筋は語っている。

また、長虹グループ広報担当の劉海中氏も「中東市場への投資を増やしている」と語っている。中東市場の魅力は、この地域では、自営業の小売商は多いが、一定の規模をもつ販売業者は少なく、中国の第2、3段階の販売システムに似ており、中国の家電メーカーの中東進出に多様な販売ルートが開拓されている。とくに重要なのは、中東地域の消費の格差が比較的に大きく、「ほかと比べると、中東地域の電気機器の製造能力は限られており、多様化した消費ニーズと需給関係は海外企業のために発展の空間を作り出している」と劉海中氏は語っている。

∇欧米の貿易障壁を回避することは可能

関係筋の分析では、中国の家電メーカーは細心の注意を払って、回避しようとしても、欧米地域との貿易摩擦は後を絶たず、これは中国カラーテレビメーカーが中東市場に傾斜する原因となっている。

海信電気が中東地域向けに輸出しているテレビは、パキスタンの生産基地で製造されている。これは、家電製品の輸出以外に生産技術の輸出も日増しに加速していることを意味するものであり、中国製品の海外市場拡大という面では安全かつ典型的な方法の一つとなっている。

中国家電協会のある関係者は、欧米と違い、中国家電製品は中東で自前のブランド名で販売されており、これは、中国製のブランドにとっては海外市場拡大にビッグチャンスでもある。

         「チャイナネット」 2004/10/10