中国、原子力発電の発展を強化


  外国の技術を導入し、海外企業と協力関係を結び、独自に原子力発電施設の建設を進めるという特色を持つ中国の原子力発電事業は、近年急速な発展を遂げ、原子力発電発展の黄金期を迎えている。今年7月下旬、中国政府は深刻な電力不足に見舞われている広東省と浙江省にそれぞれ原子力発電所1カ所の建設を認可し、トータルで4つの100万キロワットの原子炉を設置することとなった。これは、中国の原子力発電能力向上計画の一部であり、経済の急速な発展に電力の供給が追いつかない状況を緩和するのが狙いである。

 中国は、20世紀80年代中頃から原子量発電所の建設を始め、最初の2つの原子力発電所は、浙江省の秦山と広東省の大亜湾に建設された。現在までのところ、中国は、全部で6つの原子力発電所を擁しており、9つの原子力発電ユニットが稼動しており、2つの原子力発電ユニットが建設中である。原子力による発電量は、中国全体の総発電量の2.3%を占めている。現在、世界全体では、原子力発電量の総発電量に占める割合は16%に達している。近年来、中国経済が急速に発展しており、エネルギーの供給不足が日増しに経済の発展を制約するようになっている。2004年の上半期には、中国の電力需要が16%も増えることとなった。専門家の予測では、年間の電力不足は2000万キロワットとなっている。数多くの地域では、電力使用制限措置が頻繁に行われているため、原子力発電所建設の加速は不可欠である。

 2003年、原子力発電の発展は始めて中国の電力発展計画に組み込まれ、これは原子力発電の重要性が高まったことを意味している。中国のこの変化は、20年来のろのろのテンポで発展している世界の原子力発電業界に注目されている。

 中国の原子力発電発展の青写真では、2020年に、中国の原子力発電容量は、現在、発電を始めているか、または建設中の870キロワットから3600万キロワットに増え、国全体の発電容量に占める割合が現在の2.3%から4%に高められることとなっている。この計画では、2004年から、中国が毎年少なくとも2つの100万キロワット級の原子量発電ユニットの建設を行うことになる。すなわち、今後16年間に、中国は、毎年大亜湾原子力発電所と同じ規模の原子力発電所1カ所を建設し続けることになる。

 中国発展・改革委員会エネルギ研究所副所長の韓文科氏は、「これは、中国の原子力発電がこれまでの適度発展という期間から急ピッチの発展段階に入ったことを示すものである」と語っている。

 設備の国産化を維持すると同時に、中国は、海外企業との協力をも強化している。中国はすでに、多くの国と原子力平和利用の取り決めに調印している。その中には、貿易、人的交流及び技術と設備製造に関する協力などが含まれている。このほか、フランス、ロシア、カナダと日本などの国と原子力発電に関する協力も進んでいる。

                          「チャイナネット」 2004年10月11日