台湾島の地盤沈下が加速 沈下面積は10の台北市を上回る


 科学研究によると、温室効果で、南極と北極の氷河が融解し、海の平面が上昇しつつあるため、世界的範囲で数多くの島が地盤沈下に脅かされている。香港の関係報道ばかりでなく、台湾省の環境専門家も「台湾島の地盤沈下は必ず加速する」と大胆な予測をしている。台湾島を支える地下水が絶えず流失しつつあるので、台湾島の南西部の地平線はすでにもののところではなく、地面沈下の被災地域になり、台風と豪雨に見舞われれば、陸地のほとんど冠水被害にさらされるようになっている。

 統計データによると、2001年の時点において、台湾島の地盤沈下面積は2667平方キロに達し、台湾島の平原面積の25%を占め、10の台北市ほどの大きさとなった。そのうち、雲林地区の沈下面積が最大で、累計沈下深度が最も深刻のは屏東県の佳冬郷で、3メートル以上に達している。彰化県の大城郷は沈下速度が最も早い地域になった。近年以来、台南地方の沈下面積は34平方キロから294平方キロに広がり、10倍も増え、沈下面積の増加幅が最も急激な地域となっている。

 地下水の厳格な管理、および翡翠ダムの建設のため、台北盆地の地盤沈下は穏やかになっているが、台湾島の中南部の沿海地帯の地面沈下は深刻化しつつある。「台湾立法委員会」の蘇治芬氏は「水利署」から提供された資料に基づいて、「台湾島の地盤沈下面積(水面下に沈んでしまった面積を除き)は少なくとも5877平方キロ、つまり、21.6の台北市の面積にそうとうするものとなり、台湾島総面積の16.5%で、平原面積の半ばを上回ったことになる」と語った。

 地下含水層の上流に位置する中央山脈が台湾の水資源の最も重要な水源涵養地域と見なされ、「森林のダム」と呼ばれているにもかかわらず、これまで数十年間に、原生資源の開発は「森林のダム」のバランスを破壊してしまった。ビンラン、茶園、高山農業、ゴルフ場および交通インフラの大規模の建設によって森林カバー率が少なくなる一方、「森林のダム」が水を集めて蓄える効用も絶えずに弱まっている。都市化および都市のコンクリート化は下流の平原区の地下水補充にも影響を及ぼし、地盤沈下の災禍が重なって、問題が深刻化している。

                          「チャイナネット」 2004/10/12