知財保護の進む北京 流通分野の侵害行為が激減

 


  2008年北京五輪に向けた準備が進行に伴い、北京市は五輪関連の知的財産権に対する保護活動も進んでいる。同市では今年上半期、五輪シンボルマークに関する侵害事件24件が摘発された。

 北京市はさまざまな知的財産権の取引や宣伝、使用が集中する地域であり、国内外のさまざまなブランド商品が集散するため、知的財産権の保護に対する任務も大きい。同市は知的財産権をめぐる活動の連携体制を整備し、行政、立法、司法の各機関による有機的な連携を図るとともに、重点分野については特別取締活動を展開している。

 主な活動状況をみると、重要な時期にはニセモノ・コピー商品の取締活動を共同実施している。今年の春節(旧正月)前後、3月の全国人民代表大会(全人代)と人民政治協商会議全国委員会(全国政協)の開催期間にも、2度にわたり専門の取締活動を行った。重点地域における取締活動も適時実施しており、大・中型ショッピングセンターやスーパーマーケット、小規模小売市場での特許・実用新案・意匠をめぐる権利侵害に関する検査を強化しているほか、市内の秀水街、紅橋、中関村などの市場、外国人が宿泊するホテルの商品部門に対する取締活動で目立った成果を上げている。

 サンプル調査のデータによると、同市流通分野における権利侵害行為の比率は、1998年の25%から現在は約5%まで低下した。重点分野では、商標権をめぐる取締活動に当たり、次の点を強化している。

 (1)食品・医薬品・ファッション品・日用化学品・電子製品・交通運輸設備部品などにおける商標権侵害事件を検査の重点とする。

 (2)ニセモノ製品の生産や販売、ニセ商標やマークの印刷など、重大な権利侵害行為については集中的な取り締まりと処分を実施する。

 (3)商標管理監督部門と商標の権利者、特に有名ブランドの権利者が共同でニセモノ・コピー商品の摘発機関を設置する。

 (4)企業の自発的な権利保護の奨励する。

 北京地域の権利侵害事件は、技術的に高度で損害が大きいという特徴がある。これに対応するため、同市はコンピューター・ソフトウエアに関する権利侵害行為を取締活動の最重要分野とし、一部企業・事業者のソフトウエアのインストール、コピーによる権利侵害行に対する処罰を強化している。関連部門は今年、海賊版メーカーの摘発を中心とする「春雷行動」も実施している。さらに、北京版権保護協会、版権代理有限公司、海賊版に反対する作業委員会、版権保護センター、ソフトウエア登録センター、中国音楽著作権協会北京主席代表処などの機関を相次いで設置し、著作権の行政管理と社会的管理、版権管理と版権関連サービスの連携システムをほぼ構築している。

 同市はこのほか、中関村の国家知的財産権制度モデルパークの試験事業に全力を上げている。今年下半期には、パーク内企業の知的財産権保護意識の向上を目指す計画「専利引フ」を立ち上げ、企業の知的財産事業に関する制度構築、検索システム構築、人材育成、戦略立案に着手し、政策、経費、サービスの面で、業種や規模が異なるパーク内各企業に対する知的財産権保護の優遇制度を実施する。

                   「人民網日本語版」 2004年10月13日