「人民元切り上げ」に根拠なし 担当部門報道官


 人民元レートがまもなく切り上げられるとの最近のうわさについて、国家外匯管理局の報道官は取材に対し「うわさには根拠がない。中国の現行の為替政策に対する誤解だ」と述べた。

 同報道官は、人民元レート政策は以下の4点から考えるべきという。

 (1)レート決定メカニズムの改善は、既定の改革の方向性であり目標だが、改革の進展は中国経済の発展レベルや経済運営状況、国際収支状況やその他の対応する改革措置などによって決まるものだ。これは一つの系統的な工程であり、安定的に推進することが必要だ。たやすく成功することではなく、具体的なタイムスケジュールもない。

 (2)レート決定メカニズム改善の核心は、レート形成の市場化レベルや為替レートの柔軟性の向上であり、単純なレート水準の調整ではない。このため、人民元レートを一回で見直すという不賢明な方法を取ることはありえない。

 (3)レート決定メカニズム改善は、中国の自主的な選択であり、必然的に、中国社会・経済の負担能力を十分考慮し、レートの大幅な変動を避けるものとなる。人民元レートを合理的でバランスの取れた水準で引き続き基本的に安定させることは、中国経済・社会の健全な発展にプラスであるだけでなく、世界経済・金融の安定にもプラスになる。

 (4)長期的にみれば、為替レートの柔軟性が向上した後、人民元レートは上昇、下降のいずれの可能性もあり、一方向的な変動ではありえない。現在、人民元が直面する切り上げ圧力は、市場観測や金利差と大いに関係がある。しかし冷静に分析すれば、市場の観測はいつでも変化する可能性がある。国際市場金利の上昇にともなって、人民元と外貨の間の金利差が徐々に縮小し、反転する可能性もある。その時には、市場資金の流れはすべて逆方向へ向かう可能性がある。このため、一方的に人民元切り上げへ賭ける行為は、不賢明、投機的かつ危険な行為でしかない。

 同報道官はさらに、中国の現段階の資本項目の外貨口座による取引は、現在も厳重な管理を受けており、資金の大規模な移動は今後も厳しい監督管理に置かれると強調した。

                        「人民網日本語版」 2004年10月13日