北京、2008年のオリンピックに向けてCBDの交通網を改善へ

 


 現在、北京のビジネスセンターであるCBDの建設が着々と進んでいます。それに伴って徐々に交通渋滞の問題も深刻化してきました。ビジネスセンターとしての役割を十分に発揮し、発展させるために、北京市政府はこのほど交通渋滞の緩和を目指したCBD交通計画を策定しました。この交通計画は北京オリンピックに向けた交通網の改善措置をより合理的にするものだと関係者は分析しています。
 北京市は20世紀の90年代末から市の東部をビジネスの中心地・CBDとして建設することをスタートさせ、10年余の発展を経て、現在のCBDが初歩的に出来上がりました。しかし、都心の交通渋滞が一貫してCBDの発展を妨げてきており、毎日市内を走る200万台の自動車がこのエネルギッシュな都市の重荷になっています。

 関係部門にとって、将来北京のCBDに現れる交通渋滞の問題を最優先課題となっています。中国都市計画設計院の李暁江院長は、理にかなった都市計画こそCBDの役割の鍵だと考え、次のように話しました。

 「北京のCBDには数多くのオフィスが集まっており、大勢の人々が働いている。出勤のラッシュアワーには都心へ入る人々で交通渋滞になり、また退勤のラッシュアワーには、都心から外にでる車で交通渋滞になってしまう。そこで、都市計画の必要性がでてきた。北京市の都市計画を理にかなったものにし、交通渋滞の問題を緩和しなければならない。例えば、オフィス、住宅、そして商業施設を総合的に持つ地域を、一ヶ所に集中せず各地に散在させれば、バランスが取れた交通を実現できるだろう」と話しました。

 関係筋によりますと、北京市は2001年からCBDの交通計画を立てることに着手してきました。そのため、交通管理部門が数回にわたりCBDで、異なる時間帯における交通量を調べ、ほかの国のCBDにおける交通状況と比較分析しました。また、国内外の交通問題専門家や関係者を定期的に集め、仮プランを論証してもらい、その修正と改善を繰り返してきました。

 今回立てた交通計画によって、これからのCBDでは公共交通機関は専用の道路を使用し、それは通過車両の56%を占めます。また、工事中と計画中の4本の地下鉄もCBDの交通量の4割を分担でき、毎日約36000人を分流させることができます。そのほか、北京市政府はCBDにある大規模な工事が竣工する2007年までに、凡そ3年間をかけてCBDの道路網の改造工事を終える予定です。

 北京市のCBD交通計画ではこれまでの交通問題は都市発展の付随的なものであるという考え方を一新させ、交通が都市発展の主要問題だと強調しています。中国都市計画設計院の李暁江院長は、「北京市の発展と建設の中、道路と自動車の矛盾は短期間で解決できるものではないと指摘し、北京市政府と関係部門が交通問題をCBD長期計画に組み入れ、理にかなった交通計画を立てることは正に北京市の交通渋滞を解決できる最も相応しい方法である」として、次のように強調しています。

 「北京市政府は中長期の政策を通じて都市のインフラ施設の配置を包括的に整え、とりわけ交通網を調整しなければならない。都市の交通渋滞が深刻化するまでに予備作業を講じるべきである。例えば、電車、地下鉄などの軌道交通を先に建設すべきであり、バスなどの公共交通機関の建設を加速し、交通渋滞が招く都市の能率低下を防止しなければならない」と話しました。

 ちなみに、2010年前までに、北京市が交通渋滞の解決に投入する資金の総額は2000億から2500億元に達する見込みだとのことです。

                          「CRI」より 2004/10/14