中国企業500強 「世界500社」との格差(2)


 中国企業連合会と中国企業家協会は2002年以降、国内企業の番付「中国企業500強」を毎年発表している。ここでは、「中国企業500強」にランクインした企業の発展・変化を追うとともに、米フォーチュン誌の「世界企業500社」にランクインした企業との優位性、問題、格差などの相違を分析し、「中国企業500強」入りした企業が目指すべき方向性を提示する。

 <中国企業500強の進歩>

 ▽大企業の地位がますます強化

 「中国企業500強」入りした企業の売上高が国内総生産(GDP)に占める割合は、2002年には67.99%に達し、前年に比べて4.35ポイント上昇した。2003年はさらに9.05ポイント上昇し、77.04%に達した。こうした段階的な上昇傾向は、国民経済における大企業の地位や役割が、ますます強化していることを反映している。

 ▽大企業が急速に成長

 2002〜2004年の3年間、「中国企業500強」入りした企業の売上高合計は、平均で年21.36%増加し、資産総額は平均で年4.13%増加した。2004年の売上高は計8兆9900億元(前年比29.18%増)、資産総額は28兆2300億元(同3.16%増)、従業員数は2066万人(同2.59%増)だった。

 「中国企業500強」のボーダーラインとなる第500位の企業の売上高は、2004年が30億6千万元、2003年は25億元、2002年は20億元だった。

 米経済誌「フォーチュン」の「世界企業500社」にランクインする企業が急速に増えている。中国企業が初めて「世界企業500社」入りした1995年、ランクインした企業はわずか3社だけだった。2004年には、18社に増えた。

 「中国企業500強」の成長性と経営指標は、すでに「世界企業500社」に追いつき、追い越している。2004年には「中国企業500強」の平均売上増は26.24%に達し、同年の「世界企業500社」の平均売上増である10.5%を15.74ポイント上回った。同年、「中国企業500強」の平均資産回転率は年0.32回で、同年の世界500強の年0.24回を上回った。

 ▽民間企業の役割がますます重要に

 過去3年間の分析によると、「中国企業500強」の中では、国有経済が引き続き支配的な地位を保っているが、民間企業の数と比重がゆるやかに上昇し、全体的な規模が拡大しつつある。民間企業の数が「中国企業500強」に占める割合は、2002年は3.8%だったが、2003年には13.8%に、2004年にはさらに14.8%まで上昇した。売上高の割合は、2002年は1.41%、2003年は5.6%、2004年は6.02%だった。従業員数の割合は、2002年は0.76%、2003年は3.64%、2004年は4.73%に上昇している。

 ▽中国の工業化プロセスが加速

 2004年に「中国企業500強」入りした企業は33業種にわたる。うち石油・天然ガス採掘業・石油化学工業は売上高1兆318億元、利益540億元で、「中国企業500強」全体に占める割合は売上高が11.47%、利益が17.06%に達した。売上高と利益のいずれも33業種の首位だった。売上高2位の業界は電力・熱供給・ガス産業で、売上高は合計8881億元、全体に占める割合は9.87%に達した。企業数トップは鉄精錬・加工業の計53社で、全体の10.6%に達した。04年は第二次産業主導となり、第二次産業の企業数が全体の72.6%を占めた。

 2004年の「中国企業500強」の業種・業界分布には、中国の工業化プロセスの加速が反映され、重化学工業が経済のけん引役になっている特徴がはっきりとうかがえる。(筆者:中国企業連合会・陳錦華会長)

           「人民網日本語版」2004年10月19日