チベット、グゲ王国の遺跡の保護にデータベースを構築

         
 
 チベット自治区阿里地区文化局によると、破壊に瀕する古代「グゲ王国」の遺跡を保護するため、同局は3年間をかけて遺跡にある文化財の模写やデータベースの構築などの措置を打ち出すことになっている。

 「グゲ王国」の遺跡は、チベットに現存する最もスケールの大きな、文化財としての価値が最も高い文化遺跡であり、国の重点文化財保護対象の一つでもある。遺跡の内部や周辺から、精緻な彫刻、壁画、彫像などの文化財がたくさん出土しており、芸術的価値と歴史的価値がともに高い文化の宝庫とみなされている。ところが、自然環境の変化や観光客に対する公開などにともない、文化財の破壊もだんだん進んでおり、文化財の保護作業が急務となっている。

 今回の保護作業は壁画の模写、スキャンニング・撮影、建築物の測量や製図、資料の整理、3D制作などの段階を経て、最後にこれらのデータをもとにデータベースを構築するもの。同作業の担当者は、自然災害などの発生によって文化財が損壊した場合、データベースの資料をもとに文化財を修復できること、これらのデータを世界の文化芸術分野で交流し、さらに高い価値を生む可能性があることなどでこのデータベースは意義があると語っている。

「チャイナネット」 2004年11月11日