10世紀の高僧? 西蔵で03年発見の「千年ミイラ」

         
座禅を組んだまま
のミイラの下肢
阿里・托林寺の仁欽桑布像

 西蔵(チベット)自治区の阿里地区・札達県で2003年9月に発見されたミイラが、10世紀から11世紀にかけて活躍した高僧だった可能性が高まった。

 同地区の文化財部門による1年近くの調査研究の結果、ミイラは古格(グゲ)王朝時代の高僧である大訳師・仁欽桑布(リンチェン・サンポ)の遺体であるとほぼ特定された。

 仁欽桑布は西暦958年に生まれ、1055年に死去したとされる。インドで経典を学び、西蔵に戻ったあとは仏典の翻訳を指揮。阿里地区にある託林寺で大乗仏教・密教の経典150部あまりを翻訳・校訂し、西蔵仏教の発展に出色の貢献をした。歴史専門家は「西蔵仏教の新訳密教の創立者」と位置付ける。尊称は「洛欽」(現地語で「大師」の意)。

「人民網日本語版」 2004年11月15日