中国人は日本に何を言いたいか?(中)

        

 4 アメリカ追随一辺倒は不要である

 日本は経済が継続的に低迷しているため、企業システムやその他の面の改革を通して弊害を除いて刷新し、速やかにアメリカ体制に接近することを望む世論がある。しかし制度を分析してみれば、どのような制度もそれに適合した外部環境があり、「最高唯一」の制度などは存在し得ない。中国の郷鎮企業の過去における地方合作主義体制は、かつて郷鎮企業の発展に大きな役割を果たしたが、現在はその矛盾問題を露呈している。しかしながら、これは過去が全て錯誤であることを意味しているわけではない。外の世界から見れば、日本の経済問題の根本は極端な生産コストの高さにあり、技術、管理、品質の問題ではない。これを解決する方法は「両頭を握り、中間を外に置く」しかなく、技術設計、販売ネットを握り、海外で生産するべきであり、いわゆる「産業の空洞化」については新たな認識による議論が必要で、これは資源の有効な配置が要求する必然的な趨勢なのである。日本はアメリカ式バリューを一切の基準にする必要は無く、むしろ独自の道を歩むべきで、これは日本の過去の経験でもあり、今後もそうあるべきなのである。中日間の関係も、現在の日米関係と中米関係の付属品的状態から脱するべきである。

 5「脱亜入欧」から「アジア太平洋への復帰」への転換

 中国人から見れば、日本民族は「傑出した実務者」で、強者に学び時機にあわせて調整転換することに長けている、と公認されている。日本は、近代以降「脱亜入欧」戦略の選択という最大の転換を成し遂げ、その後100余年間の発展の軌跡を決定付けた。しかし現在、時代はまさに非常に大きな変化を迎え、世界経済システムの重心はアジア太平洋に移行しつつあり、当時の成長の重心がヨーロッパから北米に移行していた時代に類似しており、現在は技術と情報の伝播がより速くなっているので、その移行過程のスピードもより速くなる可能性が高い。中国、インド、ベトナムの経済成長の強靭さと日本、韓国、シンガポール経済の速やかな回復がその例証である。したがって、日本は真摯に戦略調整を行い、「アジア太平洋への復帰」するか否かを分析、思考するべき時期に来ているのである。

 6 制度転換が必要な日本

 日本は先進資本主義国家群の中で、アジア「社会協調組合資本主義」に属する類型であるといってよく、このような経済基礎に適合しているその「現代民主制度」にも特徴があり、社会内部の各種の「人脈」につながる利益派閥の影響が大きい。初期段階の普通選挙制度化でも、一党が長期政権を握り、この段階が終了すると指導力が弱い複数のリーダーによる群雄割拠の時期に入り、リーダー達は既得利益団体に対する改革、調整が至難の業になってしまっている。アジアの一部国家、地区の議員達は、民衆の目が光っているテレビ放送のカメラの前で大立ち回りを演じているが、これは何らかの問題の存在を証明するものである。中国も時代とともに進むにしたがって政治体制改革が自然に必要となるであろうが、日本の政治も改善が必要であり、「現代民主」に対する認識を深め、民意をあまねく代表し、改革を指導するリーダーは鋭意改革の方向を牽引していくべきである。

 7「アジアのリーダー」争いは中日摩擦の原因ではない

 アジアではかなりの長期間、経済的発展の構造は「雁行構造」であり、日本をリーダーとして「四小竜」と称された韓国、シンガポール、香港、台湾が追随し、その背景には冷戦があった。冷戦終結後、アセアン(ASEAN)諸国と中国大陸の急速な経済発展により、その構造が打破されて新たに「馬群構造」が形成され、馬の疾走過程でその順序が常に変化するようになった。このような状況下では、日本と中国にとって「ヨーロッパ連合」(EU)に類似した「アジア連合」地域経済合作組織が非常に重要になってくる。中国自身は発展のために解決を迫られている多くの問題を抱えており、少なくとも50年間は国内生活改善に集中しなければならず、無益な「国際的影響力」や自衛を超えた「抑止力」を追及することなどとてもできはしない。日本経済の実力がアジアで右に出るものはいないとしても、時代が変化している状況下では、鶏群の一鶴と言う立場を逐次変えていく必要があるのではないだろうか。

 つまり、いわゆる「アジアのリーダー」争いは、決して中日利益摩擦の鍵ではないのである。

 (明日は、下の部分を掲載しますので、よろしく。)

「チャイナネット」 2004/11/17