マクロ調整をめぐる疑問への回答(抜粋4)

         

  中国政府は年初以来、経済活動をめぐる突出した矛盾を解決するため、マクロ調整強化の一連の政策を打ち出している。これに対して、実行の当初から、国内や海外、経済学会や実務部門など、さまざまな方面で議論が展開されている。国家発展改革委員会の馬凱主任はこのほど、各分野から寄せられた8つの疑問に対する見方を発表した。

 (4)今回のマクロ調整は一時的な問題の解決に過ぎなかったのか

 今回のマクロ調整は「個別の問題の解決に過ぎず、根本的な解決には至っていない」とする意見がある。事実、中央政府は今回のマクロ調整強化・改善プロセスの中で、現在の問題に立脚し、長期的な視点をもち、個別の問題と根本的な問題の解決を並行する必要性や、マクロ調整の強化と体制改革の推進を結びつけ、マクロ調整強化を実践する中で改革を深化させるとともに、改革の深化を通じて体制メカニズムから経済の健全な発展への障害を取り除くことの必要性を繰り返し強調してきた。これまでの約1年間、各分野の改革は歩みを止めず、さらに一連の重要な改革措置が相次いで打ち出された。

 (1)穀物の流通体制の改革を積極的に推進

 (2)投資体制改革を全面的に展開

 昨年末、国務院常務会議は投資体制の改革プランを大筋で可決し、今年7月には国務院が「決定」の形で同プランを公布・実施した。現在、国家発展改革委員会は関連部門と共同で、中央指導部の指示と国務院の同「決定」の精神に基づき、対応措置の修訂と改善を急ピッチで進め、改革を積極的かつ着実に推進し、投資の膨張を招く体制の根本的な問題をさらに取り除くよう努めている。

 (3)税制度改革が新たな段階に突入

 輸出に伴う増値税(付加価値税)還付システムがさらに改善され、中央政府の増値税還付に対する財政的支援が強化されるとともに、中央政府と地方政府が還付金を共同で負担する新システムが打ち立てられた。東北旧工業基地の8産業における増値税改革のモデル事業も正式にスタートした。

 (4)金融体制改革が積極的に進展

 国有商業銀行の改革の歩みが加速し、中国銀行と中国建設銀行の株式制度改革が一定の成果を収めた。農村信用社(信用組合)改革が昨年、8省・市で試験的に実施され、今年は範囲がさらに拡大された。国有保険企業の改革は大きく進展し、中国人民保険公司、中国人寿保険公司、中国再保険公司の再編・改革は順調に終了した。金融監督管理システムも絶えず健全化に向かっている。

 (5)行政の審査・認可制度改革の成果が顕在化

 国務院は2002年10月と2003年2月の2度にわたり、行政の審査・認可に関わる計1300項目を廃止・調整し、今年5月にはさらに495項目を廃止・調整した。これで項目全体の半数が廃止・調整されたことになり、政府の職能の転換、企業の自主的方策決定権の拡大、市場メカニズム作用の十分な発揮に向けた良好な環境が作られた。

 このほか国有資産管理体制の構築・整備や、価格調整の推進、特に電力価格改革などの面で進展が見られた。改革のたゆまぬ深化は、国内の経済活動における突出した矛盾点・問題点の解決にプラスになるだけでなく、長期的な発展に向けた良好な体制的基盤の構築にもプラスになる。

「人民網日本語版」 2004年11月19日