フランス市長が成都で“コック”に、教会改修支援で

         
 

  四川省成都のホテルで、フランス・ビレネー山脈西部、スペインとの国境にまたがるバスク地方特有の料理を味わってもらうため“10日間のコック”として奮闘した現役市長が今、市民の間で話題になっている。

 ジャイアントパンダの発見で知られるフランスンのデービッド神父が、約100年前に宝興ケ祠溝に建てた教会の改修工事が始まるのを知り、工事を資金面から支援して神父を記念しようというのが、市長がコックになった動機。

 話題の主は、バスク地区エスペラッテ市のアンドリュー・ダライドー市長。すでに15年にわたり市長を務めており、今後も数年は続投する意向。ダライドー市長は一面、名コックとしての顔をもつ。この30年近くの間、レストランオーナー兼コックとしてバスク料理の腕を磨き、その腕を存分に発揮してきた。

 市長が成都で臨時のコックになった背景には、パンダとの密接な関係がある。エスペラッテ市は、パンダ発見者であるデービッド神父の出生地、デービッド神父を記念する土地柄から、市長自身も市民と同様にパンダの大ファン。

 エスペラッテ市はシシトウガラシの生産地で、毎年開かれる「シシトウガラシ・フェスティバル」には、グルメとカーニバルを楽しむため多くの観光客が訪れている。そのグルメを広めるのもまた、市長の責務の1つ。そうしたこともあって、「公務員の給与は安いから」と、自ら成都で臨時のコックになり、教会改修の支援に乗り出すことに。

 タマネギやシシトウガラシ、トマト、ニンニクなど必要な素材はすべてフランスから空輸した。特製フルコースは、オードブルとメインディッシュ、デザートいずれも5種類のメニューからの選択。

「チャイナネット」 2004/11/23