「南水北調」2010年に北京市民は長江の水を
飲むことができる

         

  中国国務院「南水北調」(南部の水を北部へ引く)プロジェクト建設委員会弁公室主任の張基尭氏は、国務院が2002年に認可した「南水北調プロジェクト総体企画」と当面黄河、淮河流域で水資源が不足している厳しい状況に基づき、「南水北調」東ルート第1期プロジェクトが2007年に完成し、主に江蘇と山東の両省に向けて導水することになり、中央ルート第1期プロジェクトが2010年に完成すると同時に導水を始め、長江の水が北京に到達し、北京市民が長江の水を飲めるようなことを明らかにした。

 このほど行われた「南水北調」プロジェクト作業部会議で、張基尭氏は、現在、プロジェクトの建設は全体としてスムーズに進められている。東ルートの江蘇省三陽河―潼河―宝応站間の工事と山東省済平幹線水路工事は着工以来、資金投入はすでにそれぞれ74.7%と52.0%を完了した。中央ルートの北京市―石家荘市間では、北京市永定河の逆サイフォン工事、河北省?沱河逆サイフォン工事がすでにそれぞれ計画資金投入額の47.3%、30.5%を完了しており、プロジェクトは予定どおりかあるいは前倒しして完工することも可能と語っている。

 張基尭氏はまた、関係部門は積極的にこれをバックアップして、プロジェクトのペースの確保に務めるべきと強調した。そのうえ、北京市と天津市の応急給水案を早急に検討し、フィージビリティー・スタディーを行い、丹江河口ダムの強化などの工事の設計と審査を急ぎ、これらの工事をできるだけ早く着工することが必要。同時に、東ルート、中央ルート及び西ルートのプロジェクトの関係書類、研究レポートなどのフィージビリティー・スタディー、審査、選定を速めるべきだと指摘している。

 「南水北調」プロジェクトの東ルート、中央ルートの第1期プロジェクトはそれぞれ2002年12月27日と2003年12月30日に始動している。計画では、東ルート、中央ルート、西ルートの竣工後、長江、淮河、黄河、海河が互いにつながり、中国の水資源において東西4本・南北3本の巨大な水路が出来上がり、東、西、南、北にわたって、水資源の最適化配置が可能となる。計画では、3つの導水ルートの年平均導水規模は448億立方メートルに達し、そのうち、東ルートは148億立方メートル、中央ルートは130億立方メートル、西ルートは170億立方メートルで、工期は40年〜50年を要すると見られている。

「チャイナネット」 2004年11月23日