チリの首都サンティアゴで開かれたAPEC・アジア太平洋経済協力会議の第12回非公式首脳会議に出席した中国の胡錦涛国家主席は21日、日本の小泉純一郎首相と会談しました。会談の中で、胡錦涛国家主席は「現在、日本の指導者の靖国神社の参拝問題は、両国関係が困難にぶつかっている原因だ」と強調しました。
歴史問題は中日関係における敏感な問題です。旧日本軍が中国を侵略した歴史をいかに認識し、対処するかは中日関係の政治基盤における重大で原則的な問題です。中国はこれまで、歴史を鑑にし、未来に向けることを主張し、歴史を尊重する基礎の上に立ち、両国人民の世代的友好を発展させていきたい。しかし、歴史を正しく認識し、歴史を承認することはその前提としています。この点について、日本はすでに中日間の3つの政治文書で一連の確約を行っています。
しかし、小泉首相は2001年に就任して以来、アジア諸国と人民の強い反対を無視し、侵略戦争を発動したA級戦犯の位牌を合祀している靖国神社を連続して参拝し、内閣大臣及び国会議員を含む一部の政治的要人もその後に従い、参拝を続けています。日本指導者のこうした行為は中国人民の感情を傷をつけただけではなく、日本政府が歴史問題について行った確約にも背いた。これで両国関係の政治基盤が揺れ動き、両国関係を大きく妨げた。このため、両国のハイレベルの訪問がすでに3年間断ち切られました。
中日両国はアジアと世界の平和と発展に重大な責任を担っています。国際情勢が激しく変化している中、中日両国の相互補完性が更に目立ってきました。双方は国際問題で多くの共通の利益を持っています。このため、中日の長期かつ安定的で、睦まじい友好協力関係を発展させることは双方にとって非常に重要です。しかし、中日関係を発展させるには歴史問題を回避してはなりません。実際では、日本の有識者はすでに「小泉首相の参拝行為は日本の国家利益を損なった」と見ています。小泉首相もこの点を認識したため、APEC会議の期間中、自発的に、胡錦涛国家主席と会合することを要望しました。
小泉首相は胡錦涛国家主席との会見で「中国発展は脅威ではなく、いいチャンスだ」と述べましたが、中国の発展は日本及び世界にとってプラスとなることを認識した上で、、日本政府が一つの中国という政策を実行し、台湾独立を支持しないと改めて表明しました。これはいずれも、積極的な意義があります。しかし、小泉首相は今後、靖国神社に参拝しないことを約束しませんでした。来年はファシズム反対戦争勝利60周年に当たりますが、小泉首相が靖国神社参拝を続ければ、ファシズム反対の勝利を収めた世界人民の共通の願いに背くだけではなく、平和と発展という時代の流れにも背き、日本、及び、中国人民を含むその他のアジア諸国との関係にマイナスの影響をもたらすだろう。日本は中日の世代の友好及びアジアの平和と安定の大局から出発し、この問題を適切に処理すべきです。
CRI 2004年11月25日
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