中国の月面探査は「三段階」で実現する戦略目標が確定

         

 伝えられるところによると、中国科学院院士(アカデミー会員)で中国月面探査首席科学者の欧陽自遠氏は、このほど、中国科学技術協会の2004年学術年次総会で、我が国の月面探査プロジェクトは当面、有人探査が目的ではなく、「すべきことがあればすべきでないこともある」という方針を堅持し、限定された目標を目指して全力投球して重点的に実現し、肝じんな分野で突破的な成果を上げるべきだと語った。

 欧陽氏はまた、世界において月面探査ですでに成し遂げられた成果及び世界各国の月面探査の戦略目標と実施計画を総合的に分析し、我が国の科学技術のレベル、総合的な国力と我が国の全般的な発展戦略を考慮して、我が国の月面探査は有人探査ではなく無人探査を主旨とし、「三段階」で実現する戦略目標が確定されたことを明らかにした。

 第1段階:月面の周囲を探査。我が国の最初の月面探査衛星を研究・開発に成功した上でそれを打ち上げ、月面に対して全面的かつ総合的な探査を行う。主要な目標は:月面に関する高精度の3次元立体画像を入手し、そして月の表面の環境、地形、地質構造を探査する。月の13種類の重要な元素の分布の特徴と法則を探査し、月の土壌の特徴と厚さを探査して、核融合発電燃料ヘリウム―3の分布と資源埋蔵量を調査し、そして地球と月の間の宇宙環境を探査する。

 第2段階:月面軟着陸器による探査と月面で移動できる探査車を使って巡回探査する。月面軟着陸器を月面に軟着陸させ、月面軟着陸器と探査車の技術性能をテストし、そのうえ着陸した区域の地形、地質構造、岩石の成分と分布の調査測量、そして月面の土壌の層と月面の殻の厚さと構造の測定、微小天体の衝突と月面の震動データの記録、紫外線、低周波電波への光学・天文学的観測などを行い、月面における探査基地の選定のために基礎的なデータを収集する。

 第3段階:月面における探査器によるサンプル採取と帰還。小型のサンプリング探査器を軟着陸させて、着陸した区域の地形、地質構造、岩石の成分と分布の調査測量、月面の土壌の層と月面の殻の厚さと構造の測定、微小天体の衝突と月面の震動データの記録、月面の内部構造の測定などを行い、月面に関する肝心的なサンプルを採集して地球に戻り、体系的かつ高度な研究を行う。

 欧陽氏はさらに、我が国は月面の無人探査の任務を基本的に完成させた後で、その時の世界の月面探査の発展状況と我が国の状況、国力に基づき、我が国の有人月面探査の戦略目標と発展計画を検討、策定し、機が熟したときに、有人月面探査及び関係国と月面探査基地を共同で立ち上げる構想もあると語った。

「チャイナネット」 2004年11月26日