北京市、エイズ予防治療で大キャンペーン

 

 12月1日は「世界エイズデー」です。これに先立って、北京ではエイズ予防治療の知識を普及するキャンペーンが行なわれています。北京市衛生局の金大鵬局長はキャンペーンの現場で「北京市はエイズの予防と治療を非常に重視している。エイズ予防のプロジェクトのほか、その知識の普及に力をいれ、エイズ感染の拡大を抑えている」と述べました。
 エイズ感染者は世界で約3700万人います。中国にはエイズ感染者数は84万人、患者は8万人前後います。エイズ感染者が人口全体に占める割合はそれほど高くありませんが、その人数はアジアで第二位、世界で14位となっています。北京市では近年、エイズの感染者と患者が急速に増えています。

 エイズを抑える最も効果的な手段は予防です。エイズ感染の拡大を抑えるため、北京市は近年、さまざまなグループに向けた関連知識の普及活動を進めてきました。今年の「世界エイズデー」を前に、北京市中心部の広場で大規模なエイズ予防治療の宣伝活動が行なわれました。

 およそ数万人の人々が朝から広場に集まり、エイズの知識普及のパンフレットを配布し、現場では専門家が質問に答えてくれます。

 現場にいる北京市衛生局の金大鵬局長は「中国ではエイズの感染は、感染しやすい人々から普通の人々へと拡大する傾向がある。北京は首都として、エイズの予防は非常に重要な段階にある。少しでも予防を怠ったり油断したりすれば、エイズがこの都市と市民に危害を及ぼすだろう。このようなキャンペーンで『エイズデー』を訴えるのは、ともにエイズに立ち向かおうと市民全体に呼びかけるためだ」と述べました。

大鵬局長の話によりますと、北京市政府は近年エイズの予防と治療を非常に重視していて、エイズ予防治療委員会を設け、関連活動の政策や計画を制定し、その問題を解決し、社会全体がこの活動に参加できるように努めています。

 北京市では今年下半期からエイズ予防治療を促すプロジェクトを実施しています。公共の場でコンドームを配布し、また麻薬をやめさせるための治療を施し、清潔な注射器の交換のテストを行うなどしています。こうして無差別なセックスと注射針の使い回しによる麻薬使用といったエイズ感染のルートを切断しようとしています。

 北京市政府は中央政府の規定に基づいて、貧しいエイズ患者を無料で治療すると同時に、経済的援助を提供し、その子供をも無料で学校に通わせます。

 北京市はエイズ予防と治療知識普及を非常に大切にしています。「世界エイズデー」にちなんで北京市中心部で行われたキャンペーンの現場で取材しました。

 50歳を過ぎた于徳江さんは何回もエイズ知識普及のキャンパーんに参加したことがあり、この活動に賛同し、参加しようと思うとのことです。「この活動はすべての家庭や、社会全体にとって役立つ宣伝活動である。エイズの関連知識を理解し、エイズ予防の意識を高めることができる。このような活動に数回参加したことで、この面で知識が多くなった」と述べました。

 北京のほか、中国ほかの都市でもエイズ予防と治療関連知識普及が進められています。衛生省はこれについて「エイズ予防治療知識の要点」というパンフレットを発行し、その知識の普及に努めています。

                             「CRI」より 2004/11/30