加盟3周年 WTOがもたらす中国経済の変化(3)

         

 中国は11日、世界貿易機関(WTO)加盟から3周年を迎える。WTO加盟交渉で中国側リーダーを務めた龍永図・元首席交渉代表(現博鰲〈ボアオ〉アジアフォーラム事務局長)はこのほど、WTO加盟後の3年間について、記者の質問に答えた。

 ――WTO加盟の初期に最も多く言われていたのは、「市場開放の勇気と同時に、自己保護の能力も持たなければならない」ということだった。この面では、国内企業の3年間の取り組みはどうか。中国はWTOの新加盟国という役柄への変化に適応したか。

 最善の保護方法は開放だ。3年間の「慣らし運転」を経て、国内企業は大きく成長した。以前は海外で反ダンピング措置に遭遇すると、大多数の企業は手をつかねるか、逃げ出すかのどちらかだった。しかし現在は、規則や法律についての意識を持ち、貿易摩擦へ主体的に応戦する勇気ある企業が多くなった。さらに、何かあればすぐに保護を求めがちだった数年前とは違い、企業が競争を直視し始めており、技術革新の加速、製品の品質向上、市場の開拓などを通して、足元を固め、体質を強化している。これは、WTO加盟後の役割の変化にわれわれがひとまず適応し、成熟した市場経済へのプロセスに重要な一歩を踏み出したことを示している。

 ――多数の一般人はその中から利益を得たか。

 もちろん利益を得ている。自動車を例に挙げると、国内自動車産業のこの3年間の発展は急速で、良好な競争構造が形成されている。ラインナップや品質、価格などの面で消費者が実質的な利益を得ており、輸出への潜在力が最も大きな産業になるとみられる。WTOのルールに基づいて実施した農業分野への補助金は、農民の増収に役立てられた。中国の今年の輸入額は5千億ドルを超える見通しで、今後も毎年拡大する見通しだ。中には一般市民の生活と密接な関係のある消費財も多い。利点は言うまでもないだろう。

                     「人民網日本語版」 2004年12月7日