中国はWTO・世界貿易機関に加盟してから3年がたったが、加盟時に承諾した農産物に関する約束を次第に履行してきた。海外の農産物が中国市場に多く輸入されるに伴い、今年中国の農産物は、数十億ドルにのぼる輸入超過を見せている。
今月11日、中国がWTO・世界貿易機関に加盟3周年となった。中国国務院発展研究センターの程国強研究員は、「中国がWTO加盟時に承諾した農産物に関する約束は、2004年の年末までにほぼ完了した。現在、中国は、農業市場で最も開放された発展途上国になった」と述べた。
程国強研究員はまた、「WTO加盟時の約束によると、中国は2001年から、農産物の輸出にマイナス影響を与えた行政的制限措置や割当制度を含む非関税措置を撤廃し、これらの措置をWTOが許す関税割当の方式に転換させた。現在、中国は世界中で、農産物における関税のレベルが最も低い国だ」と指摘した。
程国強研究員の説明によると、食糧など敏感な農産物における関税割当はすでにWTO加盟以来の最高値になり、そのうち、小麦やトウモロコシの関税割当はGDP・国内総生産の10%近くを占めている。このほか、中国の農産物の関税レベルは3年前の19.4%から現在の15.6%に下がり、世界の平均レベルより50ポイント下回ったという。
関税の大幅な引き下げや、海外の優良な農産物に対し、国内市場は旺盛な需要を示したことから、WTO加盟後、中国の農産品輸入は急速に増加している。大豆を例に取り上げると、WTO加盟後、大豆の輸入は年間数百万トンのペースで増加し、2003年はその総量は2000万トンを上回り、全国大豆消費量の半分を占めるに至った。同時に、小麦や牧畜業などの農産品輸入も絶えず増えている。
関係データによると、今年1月から10月までの中国の農産物の輸入額はすでに250億ドルを突破し、昨年同期に比べると50%以上が伸び、50億ドル余りの輸入超過となっている。これにより、2004年は中国が歴史上、農産品をもっとも多く輸入する年となり、また、改革開放政策実施以来、農産品貿易が初めて入超する年となる。
中国国務院発展研究センターの程国強研究員の予測によでは、ここ数年、中国の食糧生産能力は下降し、食料供給力に大きな翳りが現れているため、来年、中国では、食糧などの主な農産物が引き続き輸入増加の傾向にあるという。
これについて、程研究員は「来年、農産品輸入の増加は避けられない。国内の食糧生産能力からみれば、今年は大きな豊作を治め、回復的な増加を実現した。こういった情況のもとで、来年の食糧総生産高を画期的に増やすことはおそらく困難だろう。そのため、輸入に対するニーズも高まっていくと思う」と語った。
程研究員は更に、WTO加盟3年以来国際競争のプレッシャーに置かれ、中国農業の競争力は徐々に高まってきているとし、将来中国は農業の産業構造改革を引き続き推し進め、各地で高品質な農産物の栽培を広め、農業の労働生産性を高め、中国の農産品の国際競争力を一層高めていくことにしていると強調した。
「CRI」より 2004/12/09
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