オリンピック開催の2008年までに、中国語の分からない外国人観光客が北京で困らない環境づくりを――。こんな目標を掲げた「市民英語普及活動」がこのほど北京でスタートした。３年かけて言語バリアーフリーの実現をめざす。

　この活動の第１歩として、『家庭英語300句』が発行された。「どこの国の人ですか？」や「初めて北京に来たのですか」など、簡単な英会話を普及させるため市の各婦人連合会が共同編集したもの。CD付きの会話集は無料で市民に配布される。

　イメージ大使には、オリンピックなど女子卓球シングルス・ダブルスで優勝したことのある�ｹ亜萍さんが選ばれた。�ｹさんは「次回オリンピックの開催地である北京は、ソフトとハードの両面で優れた環境を提供しなければなりません。言葉の溝を埋めることや、外国人観光客に必要な情報やサービスを提供することも大切です」と話している。

　「2008年北京五輪では、Any Time（いつでも）、Any Where（どこでも）、Any One（誰でも）、Any Device（どんな装置でも）オリンピック関連の情報が得られ、オリンピックの喜びが共有できる」。北京市オリンピック委員会は招致申請報告でこう厳粛に確約した。「北京オリンピック行動計画」も、「2008年までにいかなる人であれ、いかなる時であれ、いかなる場所であれ、安全に、至便に、高速に、高効率に支払可能で、豊富な、言語バリアーの無い、個性的な情報サービスが受けられるようにし、傑出したオリンピックの開催を保証する」とうたっている。

　北京市はオリンピックに向け、英語の普及と同時に、「多言語インテリジェント情報サービスネットシステム」などの情報技術を駆使して確約を実現する方針だ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「チャイナネット」　2004年12月23日