「中部躍進」の2004年、将来にさらなる期待

         


 行く年2004年を振り返ると、中部発展戦略のなかで非常に際立ったのが「中部躍進」という言葉だった。

 温家宝総理は3月に行った政府活動報告で初めて「中部地区の躍進を促す」と明言し、中部の各省はきわめて大きな関心を示した。12月初めには中央経済工作会議が再度、「中部地区の躍進を促す」と提起。これらは政府が地域経済の協調の取れた発展を非常に重視していることを示すものだ。

 中部とは、湖北・湖南・河南・安徽・江西の隣接する5省を指す。いずれも内陸部に位置し、地理的に各方面でその及ぼす影響は大きい。面積は全国の8.8%、人口は同25.7%、国内総生産(GDP)は同18.22%と、重要な役割を果たしている

 だが中部は(1)東部沿海部は改革開放政策で先行し、経済発展レベルで遥かに上回り、しかもその格差拡大が加速している(2)西部地区は「西部大開発戦略」によって経済は急成長し、その勢いは今後も一定期間保持されるだろう(3)東北地方の旧工業基地は「東北振興戦略」を絶好の機会として捉え、経済は飛躍的に進展するだろう――といった現状に直面している。

 温家宝総理は6月、湖北省武漢で中部5省のマクロ経済情勢に関する座談会を開催。中部地区の特徴と優位性を全面的に分析するとともに、躍進に向け指導的な考えと具体的な要求を提起した。

 特徴・優位性は――◆全国でも重要な商品穀物基地である◆武漢や鄭州(河南省)、長沙(湖南省)などの中心都市に数多くの大学や科学研究所があり、人材面で優位性がある◆国内最大の鋼板・特殊鋼の生産基地である◆国内最大の中型車生産基地である◆国内最大の大型工作機械・包装機械の生産基地である◆電力や冶金、機械、化学工業、紡績を核とする工業体系が整備されている。

 北京大学の元学長で著名な経済学者の呉樹青氏は「中部の問題は、地域全体の発展をけん引する“成長極”の必要が迫られていることにあり、その意味で、湖北省は『中部躍進』でけん引車を担えるかなりの優位性と潜在力とを備えている。武漢は強大な工業基盤、鉄鋼や自動車、船舶産業などや、科学技術面でも研究開発能力があり、国内でも比較的強い競争力を有している。有名大学が多く、人材は豊富だ。また東西南北を結ぶ交通の要衝でもあり、その他の中部の都市とは比較できない強みを持つ」と指摘する。

                          「チャイナネット」 2004/12/27