中国国務院報道弁公室は27日、「2004年中国国防白書」を発表し、中国の国防政策や、ここ二年間の国防と軍隊の建設と発展の状況を全面的に説明しています。
中国経済の発展につれて、中国の国家利益が絶えず拡大し、国防に関する人々の観念と意識が強まりつつあります。中国政府は国内外の情勢にしたがって、1995年や1998年、2000年、2002年に合わせて四つの国防白書を発表し、国内外で広く注目されました。
中国軍事科学院世界軍事研究部のトウ紅洲研究員がこれについて「白書を出すたびに、主要な基調があり、それは国内外の情勢に対する中国の基本的な判断を表すものだ」と述べ、さらに「2004年の白書は、平和と発展は依然として今日のテーマだということを強調する一方で、国際情勢は全体的に安定しているものの、一方では不安定で、不確定で、しかも安全でない要因が強まるとしている」と述べました。
内容から見れば、白書は安全情勢の新しい変化、国防政策の新コンセプトと国際安全分野の新しい情勢を強調しました。また、白書には「中国の21世紀初めの20年における発展目標は、力を集中して、全面的に小康を保つ社会、つまり生活豊かな社会を建設することで、中国の発展の基点は主に自分自身の力に頼り、如何なる人をも妨害し、脅威を与えることはない。中国は平和的な国際環境が需要であると共に、自身の発展によって世界の平和と発展を促進している。中国は防衛的な国防政策を堅持し、永遠に拡張政策を取らず、永遠に覇を唱えない」と指摘しました。
トウ紅洲氏によりますと、白書ははじめて、中国将来の安全に影響を及ぼす現実的また潜在的な重要な要素を明確にしました。トウ紅洲氏は「新しい国防白書は、中国の安全に影響する四つの要素を明確に指摘した。具体的には、第1に、悪意に満ちた『台湾独立』の勢力、第2は、世界の新しい軍事変革による軍事技術の差、第3は、経済のグローバル化によるリスクとチャレンジ、第4は、長期間存在する多極的な矛盾と闘争などである」と述べました。
白書は国防政策の部分で、中国が国家安全を保護する面での基本的な目標と任務を規定しました。主に国家主権と領土保全、海洋の権益を守ること、国家発展の利益を保護すること、中国国情に符合し、世界軍事発展の趨勢に適応する近代的な国防を確立すること、正常な社会秩序と社会安定を維持すること、より長い時期に亘る良好な国際的環境とまわり環境を作り出すなどが含まれます。
中国軍事科学院科学研究指導部の袁正領研究員は「新しい国防白書は政府文書の形で、中国の国防政策が国家の安全戦略に服従するものであると明らかに指摘したと同時に、国家の安全戦略の主要原則及び国家の安全を守る基本目標と任務を説明した。この他、中国の台湾政策を宣伝する重要性を明らかにし、現在の両岸の厳しい情勢に鑑み、平和的に台湾問題を解決する我々の誠意と辛抱強さを表したと同時に、如何なる分裂のたくらみをも打ち砕いていく我々の決意と意志を表明した」と語りました。
台湾問題は中国の中核的な利益に関わるものです。白書は、現在の台湾海峡両岸関係は厳しい情勢にあり、「台湾独立勢力」の分裂活動は、中国の主権と領土保全を破壊し、台湾両岸及びアジア太平洋地域の平和と安定を脅かす最大の脅威となっていると指摘しました。白書はまた、アメリカは引き続き、台湾に売却する兵器の量と質をレベルアップし、台湾当局に誤ったシグナルを与えていることをも指摘しました。
「CRI」より 2004/12/28
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