国防白書、「3万字に半年かかった」 陳舟博士


国務院新聞弁公室が昨年末に発表した白書「2004年中国の国防」は、国内外で大きな反響を巻き起こした。軍事科学院戦争理論・戦略研究部研究員の陳舟博士は同白書専門家チームのメンバーで、中国がこれまでに5回発表した白書のうち4回の執筆に携わっている。10日、同白書の背景について陳博士を取材した。

――博士は国防白書の執筆に4回参加し、またこの分野で多くの研究を行っているが、その内で最も忘れがたいことは何か?

白書の起草作業はきわめて困難で、毎回深い印象が残る。執筆に初めて参加した時のことは、まだはっきりと覚えている。初参加は1997年で、中国が国防政策と国防建設の基本情況を初めて全面的かつ系統的に紹介する白書の編集作業を始めた。編集チームは経験がなかったため、何カ月もかけてさまざまなルートから国外の国防白書を集めた。私も英国、カナダ、韓国などの国防白書を自ら翻訳した。最終的に1998年の国防白書の基本的枠組みを作り上げ、そこから中国の特色ある国防白書を編集した。この枠組みは現在まで利用されている。「中国の国防」という題名も当時決まり、以後、題名の前に年度を付け加えるだけの形で発表されている。白書は1998年7月28日に正式発表された。

――国防白書は毎回3万字前後で、白書の内容は大変幅広い。字数制限の中で、豊かで選りすぐった内容を発表するという目的と要求をいかにして満たしているのか。

過去に、中国の伝統文化に関する100字足らずの原稿を書いた時、一つ一つの文字を推敲し、また「孫子兵法」の専門家から指導を受けた。白書の起草作業に参加した専門家たちは、一週間で1万字以上を書くことができるが、字数制限の中で最大の情報量を確保するには、文脈を誤解されないよう特に注意する必要があり、全員で約半年かけてこの3万字を書き上げた。最後には、私たちは内容を部分ごとにあらかた暗誦できるほどだった。

――国防白書の起草に4回参加した経験をもとに、中国軍隊の現代化プロセスと中国の特色ある軍事変革についてお話いただけるか。

国防白書は長い歴史絵巻のように、過去10年における中国軍の現代化建設のプロセスを忠実に再現している。世界軍事領域の著しい変革に適応し、中国の特色ある精兵を選り抜くために、中国軍から関係者50万人を削減したことから、各種改革を積極的に進め全面的な軍事建設を強化し、さらに、飛躍的な発展の道を歩み、情報化を核心とする中国の特色ある軍事変革を行うにいたるまでを、国防白書は全面的に反映している。例えば2004年の国防白書は、人民解放軍は陸軍建設を引き続き重視すると同時に、海軍、空軍、第2砲兵の建設を強化し、軍の構造を改善し、各軍隊におけるハイテク部隊の比率を増やし、戦力構造の協調的発展を模索し、軍隊の抑止力と実践能力を全面的に向上させるとしている。このため白書では海軍、空軍、第2砲兵の発展情況について細分化している。

                      「人民網日本語版」 2005年1月11日