EU通商担当「われわれ全員が中国専門家になるべき」


昨年11月に就任した欧州委員会のマンデルソン委員(通商担当)がこのほど、「人民日報」のインタビューに応じた。マンデルソン委員はその中で、「世界は中国経済の飛躍を軽視できない」と述べ、中国と欧州連合(EU)が製造業、サービス業など多くの分野で貿易チャンスを作り出すことが可能性を指摘した。特にサービス業では、EU諸国が中国市場に大きな影響を与えることができるとの見方を示している。

中国・EU間に生じるおそれのある貿易摩擦について、マンデルソン委員は解決の3原則として、次の3つを挙げた。

(1)事前警告システムを構築し、双方が摩擦発生の可能性を早期に発見できるようにする。

(2)起こり得る摩擦について、双方が討論できる機関を設ける。

(3)合理的で、双方が受け入れられる解決措置を採用する。

マンデルソン委員は中国の市場経済国としての地位の問題について、技術的な問題であり、政治的な問題ではないと表明。EUには地位承認の時期に関するタイムテーブルはないとした。また、中国は正しい方向へと前進しており、地位承認をめぐる懸案は、EUと中国が実際的な解決プランを探し出すことができると指摘。「中国政府と共同で、こうした問題を解決するプランを模索する」と述べた。マンデルソン委員はさらに、良好な関係を持つ薄熙来商務部長との再会見、協力推進への期待を示した。

マンデルソン委員は昨年11月22日、前任のラミー氏に替わって現職に就任した。数年にわたり中国に注目し続けてきたマンデルソン委員は昨年10月、英国の48企業グループ代表の前で発表したスピーチで、こう語った。

「政界入りした当初、中国にあまり関心のない人が多かった。今では、世界各地のマーケットには中国製品があふれ、中国の外貨準備高は年々大幅に増加し、多数のEU企業が中国に投資し、工場を設立している。私は近年、中国に強い興味を持ち、中国人や中国文化を好きになった。こうした時期に欧州委員会の通商担当委員に就任できたのはタイムリーだ。中国に関する事項を、中国専門家だけに任せておくわけにいかない。われわれすべてが中国専門家になる必要がある。中国、特に中国の将来は、われわれ全員に関係するからだ」

このスピーチには、中国指導部も注目している。温家宝総理は昨年12月8日、オランダのハーグで行われた「中国・EUシンクタンク円卓会議」代表との座談会で、同スピーチの「われわれすべてが中国専門家になることが必要」の部分を引用した。

                  「人民網日本語版」 2005年1月19日