省内唯一のナベヅル繁殖集中分布区である中国最大の森林湿地黒竜江大沾河湿地自然保護区では今冬から伐採を停止して、ナベヅルが生息繁殖する原始森林湿地の生態システムの保存に乗り出した。
黒竜江省沾河林業局の張書全副局長は、「1999年から林場従業者が林場でナベヅルを発見してから、毎年3月〜9月までナベヅルがここに巣を作って繁殖していることがわかっています。時々、林場で鶴の巣や捕食している鶴の群れを見かけますよ。かつて、科学技術者がナベヅルの遺棄した卵の人工孵化に成功して、幼鳥を飼育して研究したこともあります。現在、沾河林業局は保護区内の全ての経済活動の停止を既に決定しています。同時に、林業局はナベヅル専用の食料田として、収穫しない小麦畑を留保しています。林区の人はナベヅルの日常的活動地域に麦を撒き、越冬のために戻ってくるナベヅルのために十分な食料を確保しています」と説明してくれた。
鶴類専門家は、「ナベヅルは国家一級保護動物で、国際鳥類保護委員会によって《世界の絶滅に瀕する鳥類レッドデータブック》に登録されている世界で15種類の絶滅の危機に瀕している鶴類の一つである。ナベヅルの繁殖、生息の生態環境に対する要求は厳しく、森林、湿地ばかりではなく食用の農田も必要である。過去においてロシアでナベヅルの繁殖群が確認されたことがあるが、その他のナベヅルがどこで繁殖しているのかは謎である」と語っている。
2003〜2004年の2年間の科学考察により、専門家は初歩的にナベヅルの繁殖、成長、渡りの法則性を掌握し、大沾河湿地自然保護区は中国ナベヅル繁殖の集中分布地区であることが裏付けられて、この研究成果は国際鳥類専門家の注目を浴びている。
黒竜江省大沾河湿地自然保護区は黒竜江省小興安嶺北麓の大沾河上流に位置し、総面積21.16万ヘクタール、うち森林湿地は11万ヘクタールで、その他は草池湿地、沼沢湿地である。保護区は今のところ中国で最も整った大面積の森林湿地で、原生広葉樹混交林、沼沢、水生植物を主要な植物類型とする原始湿地生態森林の形象を保存している。沾河湿地自然保護区に埋蔵されている大量の動植物資源は、該区の生物連鎖のバランスを維持させているだけではなく、生物種の遺伝因子の天然保存庫でもある。
「チャイナネット」 2005/01/26
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