04年中国経済の分析(1) GDPの急成長


  2004年、中国の国内総生産(GDP)の成長率は9.5%に達した。これは、大半の人の予測を上回る数字だろう。この急成長をどのようにみるべきか。

 まず、成長の周期性からみると、中国経済は現在、急速に発展する段階にある。中国経済は1998〜2002年の5年にわたるデフレ対策を経て、2003年から新たな経済成長期に入った。また、中国の改革開放以来のGDP成長率は平均9.4%であり、04年の9.5%はこの平均水準の延長上にあるといえる。

 次に、04年初頭からのマクロ調整策では、保護と抑制が並行されたことがある。単純な抑制ではなく、ましてや引き締め一辺倒ではない。今回のマクロコントロールは、経済の大きな浮き沈みを防止することが根本的な目的だ。04年各四半期の成長状況もこの点を実証している。四半期別の国民経済の成長率は、第1四半期が9.8%、第2四半期は9.6%、第3四半期は9.1%、第4四半期は9.5%で、年間を通してバランスの取れた発展を達成し、大きな浮き沈みはなかったといえる。

 04年第4四半期のGDP成長率は9.5%で、第3四半期の9.1%を0.4ポイント上回った。具体的にみれば、第4四半期の一定規模以上の工業企業(国有企業または売上高500万元以上の非国有企業)と固定資産投資の成長率はいずれも下がったものの、農業生産は増加し、中でも秋に収穫する穀物の生産高が10.35%増加している。第4四半期には、第1次産業(農林水産業など)のほか、第3次産業(商業・通信・サービスなど)の生産額も急成長し、増加率が1ポイント伸びた。第1次産業と第3次産業の成長の加速こそ、マクロコントロールの成果の具体的な表れだ。

 このほか、中国経済の成長には内的な原動力もある。投資の需要が旺盛で、国民の生活水準や所得増加につれ、消費も伸びている。特に、農業経済の発展加速により、農村人口の所得が増加を続け、農村市場の巨大な潜在力が解き放たれつつある。04年は世界経済の成長率も回復し、成長率はこの30年で最高に達したと推計される。これが中国経済の発展にとって良好な国際環境となり、中国の輸出にも非常に有利にはたらいたとみられる。

 全体的には、投資・消費・輸出が中国経済を押し上げる力は依然として強く、国民経済の急成長は必然的なものである。9.5%という数字はマクロコントロールの成果を表すだけでなく、中国経済の発展レベルを正確に反映している。

「人民網日本語版」 2005年1月27日