04年中国経済の分析(2) マクロコントロール


  数字を見ると、2004年の経済成長率9.5%は、2003年の9.3%を上回っているが、マクロコントロールは十分な役割を発揮したのか。

 マクロコントロールの主な目的は、(1)一部産業や一部地域における投資の速すぎる成長を抑制する、(2)農業、特に穀物生産の強化――の2点。昨年の各経済指標を見ると、マクロコントロールの原則である「保護と抑制の並行」が達成されたといえる。

 ▽抑制策

 04年第1四半期、固定資産投資の増加率は43%に達した。その後、国のマクロコントロールが強まるにつれ、固定資産投資の伸びは段階的かつ安定的に減速した。上半期全体の固定資産投資の増加率は28.6%、1〜9月は27.7%、通年では25.8%だった。通年の固定資産投資の増加率は前年に比べ1.9ポイント下がった。

 投資構造もある程度改善された。第1次産業への投資の増加率は20.3%(前年はマイナスの19.6%)、第2次産業は38.3%(前年比8ポイント減)、第3次産業は21.6%(同0.5ポイント減)となった。投資増が速すぎた一部業界では、投資増が減速している。非金属鉱産物業界への投資の増加率は38.5ポイント減少し、鉄の採掘・精錬・圧延加工は65.5ポイント低下し、非鉄金属の採取・精錬・圧延加工は43.5ポイント低下した。

 ▽保護策

 中国の農業生産は04年に重要な転機を迎え、穀物は豊作だった。通年の穀物生産高は4695億キログラム(前年比388億キログラム増、9%増)で、1999年以来5年間続いた減少から一転した。農村人口の所得増加率も高く、1人当たりの純収入の実質増加率は6.8%で、1997年以来の最高値となった。

 共産党中央委員会と国務院は2003年第4四半期、一連の重要な政策措置を取り、農業生産の強化とサポートを行った。政策による奨励で農家の穀物生産への積極性は大きく向上し、04年の穀物作付面積は220万ヘクタール増加し、穀物生産高の増加に25%貢献した。増加分の残り75%は、面積当たりの生産高の向上による。穀物価格が比較的高いため、農家が穀物栽培から得た実質的な利益は多いとみられる。

 2004年の経済・社会発展の業績を振りかえる中で、国家統計局の李徳水局長は「もし昨年マクロコントロールを実施していなければ、通年の状況などうなっていたか」と問いかける。李局長によれば、マクロコントロールを実施しなかった場合、経済成長率がさらに高くなる一方、深刻なインフレに直面し、より大きな調整に迫られていた可能性もある。

「人民網日本語版」 2005年1月27日