経済視点 外資5621億ドルは過剰か(2)


現在論じられている2つの大きな焦点をどう見るべきだろう。  

現在、国内のさまざまな方面から次のような声が聞こえてくる。「中国は外資導入が多過ぎないか」と。

商務部研究院外資研究部の金伯生主任はこう語る。「この論争は主に2つの問題に収斂される。(1)過剰導入は中国経済の安全にリスクが及ぶのではないか(2)外資がもたらす競争が国内企業に不利ではないか」

金主任はこう考えている。「この2つは心配する必要がない。安全性から見て、外資直接投資が国民経済と国民生活に関わる重要な業種をコントロールしたり独占するようなことは少ない。2002年、中国は新しい『外商投資産業指導目録』を発表した。その中で業種において外資導入を奨励、許可、制限、禁止の4分類をした。このため業種全体を外資に開放したわけではない。中国企業と外資系企業の競争を見ると、25年の外資導入実践は、われわれ中国の企業が市場競争における優勝劣敗の末に成長を遂げた。まして、中国の世界貿易機関(WTO)加盟から3年が過ぎ、サービス業などの最も敏感な分野の開放を徐々に進めたので、外資系企業が国内主要産業と衝突するような状況には明らかにない」

商務部外資司の胡景岩司長は「各業界の実質外資利用額の割合を見ると、外資はごく少数の業種で大きく利用されている。例えば、中国の機械・電器製品の売上高の70%、ハイテク製品の84%だ。全体的に言うと現在、外資は独占を形成していない。外資投資企業の売上高のうち40%は輸出額で、国内販売額は中国の社会消費財小売り総額の15%にも満たない割合だ」と指摘する。

標準はどこにあるのか。ある人はこう考える。外資直接投資(FDI)は中国の国内総生産(GDP)の40%以上の割合を占め、先進国や他のアジア諸国・地域より高い。2003年にFDIは全国輸出入総額の55.5%を占めている。マレーシアは45%、シンガポールは38%、メキシコは31%、韓国は15%だ。これに加えて外資100%企業の割合が著しく増え、中国経済のFDI依存度が高いのは事実である。

これに対して、関係専門家はこう指摘する。国際的な算出方法によると、長年の累計外資利用総額とある年のGDPとを比較するのは国際基準に合わないという。2004年末現在の中国の実質外資利用額の残高は約2100億ドルで、中国のGDPに占める割合は16%。多くの先進国や発展途上国より低い。まして、FDIが外国貿易総額の55%を上回っているのは依存過剰とは言えない。

                    「人民網日本語版」 2005年1月31日