国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した権威あるレポートは、中国が依然として世界で最も魅力的な投資国の1つであるとした。
商務部研究院外資研究部の金伯生主任は「多国籍企業は中国で投資の数取りを押さえている。2枚の『切り札』は無視できないほど魅力的だ。すなわち、比較的安い労働力と広大な消費市場。この2つの魅力が外資を引き付ける最も基本的要素であることに変わりはない」と語る。
中国の外資や、外資における合弁企業の割合、国産化の程度、外貨保有量、輸出分野に対する要求が徐々に取り消されるに伴い、中国が世界貿易機関(WTO)加盟時の承諾を徐々に履行するに伴い、中国に進出して現地生産に踏み切り、成長する多国籍企業は徐々に増えている。中国経済の持続的成長と投資環境の改善は、マクロコントロールがもたらした積極的効果だ。これに加え、中国は多国籍企業の全世界を結ぶ産業チェーンの重要な一環になった。外資系企業の対中投資ブームの上昇は必然的だ。
もちろん、われわれも外資導入の外部環境で起きる深刻な変化を見なければならない。開放初期、外資導入は主に資本不足を解決した。現在、商品市場から見ると、全国600種の重要な商品のうち、約85%の商品は供給が需要を上回っている。その数のきわめて少ない商品だけ供給が需要に追いつかない。通貨市場から見ると、わが国はすでに資金不足で、貸付金が預金より多く、預金転換国債が貸付金よりさらに多い。2004年末までの銀行の貸付金と預金の差額は6兆4800億元だ。
さらに、一部の地方では資本導入過程において資金効率や社会、経済環境への影響を考えず、盲目的に企業を誘致して資金を導入し、数だけ多くて質のない結果を招いている。ある地方政府は契約数を政治的業績の指標にしているほどだ。こうした状態が続くと、わが国の産業政策、通貨政策、マクロコントロールの最終的結果に影響を及ぼす。このため、外資導入は必ず高付加価値、ハイテク関連プロジェクトを主流としなければならない。それはわが国の構造調整と産業発展の方向性と合致する。
最近、経済効果の比較的高い製造業や研究開発を先進国から国外へ移転する傾向が強く、国際的な直接投資も製造業からサービス業へ移る傾向にある。UNCTADの予想では、全世界のサービス業業務は毎年30―40%の速度で成長しているという。国際的な外資導入の競争はさらに激しさを増している。しかしわが国は外資の受け皿を広げるためにも貴重な契機を提供する。資本導入はさらに資本を厳選しなければならない。外資の質と効果の向上に有利なだけでなく、新しいタイプの工業化と持続的発展に有利であれば、外資は理解され、歓迎されるだろう。マクロコントロールに直面しても、外資の対中投資は落ち込むどころか伸び続ける。マクロコントロールと新しい国際的な産業移転の方向性が基本的に一致しているからだ。
「人民網日本語版」 2005年1月31日
|