中国の電力部門のデータによると、雲南省電力網は昨年秋から冬にかけて、ベトナム向けに4943万キロワットの電力を送電し、これによって、中国の周辺諸国向け大規模送電が始まることになった。先般、南方電網公司とベトナム側がベトナム向け第2の110キロボルト送電ルート開設に合意し、年内に雲南省の文山からベトナムのフート省に向けて送電することに取り組んでいる。
このほか、中国、タイ両国の電力部門は双方の企業が雲南省の瀾滄江に景洪水力発電所と糯扎渡水力発電所を建設することで合意した。この2つの発電所の発電ユニット総出力は735万キロワットで、竣工後まず中国東部沿海地域の広東省へ送電し、タイの電力市場のニーズの変化の状況を見て、タイにも送電することになっている。専門家たちは、雲南省の電力のベトナムへの送電がみごとに成功し、これは中国とメコン川流域諸国の経済協力において、陸運、航空と水運ルート以外に、電力輸出を主要な内容とした第4の「経済大動脈」が急ピーチで整備され、協力双方のウィンウィンの実現に積極的な役割を果たすものであるという見方を示した。雲南電網公司の王良友社長は、国外の電力市場の開拓は中国電力産業のさらなる発展にプラスとなっており、メコン川流域の電力事業の協調的発展の潜在力は極めて大きいと見ている。
ベトナムの国家第一電力会社の阮福栄社長は、雲南省の電力網からベトナムへ輸送されている電力の質も良く、ベトナム北部の電力供給と電力網電圧の安定度が大きく改善されたと評価している。データによると、中国の雲南省に隣接しているベトナム北部は、近年、経済が急速に伸び、電力使用量が年平均10%以上の伸びとなっており、深刻な電力不足が生じているという。
昨年末、広西電網公司とベトナム側も送電の合意に達した。中国南方電網公司はさらに、二国間の電力貿易を中心に、重点的に中国タイ間の500キロボルト、中国ベトナム間の220キロボルトなど送電プロジェクトに取り組む計画を立てている。東南アジアに隣接している雲南省は豊富な水資源と電力資源を拠りどころに、新ランドの電力事業建設ブームを契機として、2007年に電力の需給をバランスの取れたものにすることが可能と見ている。雲南省人民政府は2009年に省全体の発電ユニット総出力が1000万キロワット以上となり、年平均発電量は1300億度以上に達し、電力供給はゆとりのあるものとなる、と見ている。
「チャイナネット」 2005年2月16日
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