商務部レポート 外資は中国に何をもたらしたか(3)


王主任は中国のWTO加盟後、直面する最も重要な問題はどのようにFDIを導入するかではなく、知的財産権の問題をどのように解決するかだと考える。「中国の技術と市場の交換は当初からこうあるべきだったはずだ」と述べる。  

現実には、中国から生産、輸出される製品は日増しに増えているが、中国人が手中に持つ特許技術と核心的技術はそれほど多くはない。

王主任はレポートの中で、大市場に対してハイテクを交換できない原因は体制と政策の欠陥に帰結するとしている。「この間、一人の日本からの客人と会った。彼は遠慮なしに私にこう言った。『中国人は技術を盗む熱心ささえもない』と。私はその時、非常に顔が赤くなったのを感じた。なぜか。われわれは他国の技術に依存して経済の急速な成長を遂げることに満足してしまっている。われわれ自らを刷新するどんな原動力があるというのだ」  

「もう一つの問題は、地方が企業誘致に過度の資金導入を追求した結果、外資系企業は中国において国民レベルを超える待遇を享受していることだ。ある企業は大量の土地と資源を占用している。こうした現象は香港と台湾の企業に最も顕著だ。彼らは大量の資源を使って占用している。しかしそれにふさわしい大量の産業構造価値を生むことはなく、産業技術レベルの全体的な向上に深刻な影響を及ぼしている」と王主任は言う。

さらに「外資導入と科学技術の発展という二つは矛盾していない。しかし、本当の効果を評価する上で、われわれは新しい認識を持つべきだ」と指摘している。

王主任はレポートの中で、FDIがもたらすマイナス影響を示した。数を重視する姿勢から質を重視する姿勢へ転換すべきであり、合わせて外資導入の優遇政策を地域構造や産業構造、投資密度の優良化を考えて合理的に制定すべきだとしている。「こうした変化の基礎は開放規模の拡大と国のマクロコントロールに基づくべきだ」という。

「このためわれわれが思うのは、市場と技術の交換の政策は、中国の改革開放において相応の成長効果をもたらした。しかし中国の経済と社会の発展に伴い、われわれは多国籍企業が中国において社会的、市民的な役割を担い、社会の持続可能な発展に対する責任を引き受け、中国のために積極的に奉仕することを求めるべきだ。企業責任の強化を通して、先進的理念と管理制度を中国に導入することにつながる」

「21世紀経済報道」の記事から

                     「人民網日本語版」 2005年2月17日