レポートの主な執筆者である商務部対外経済研究院多国籍企業研究センターの王志楽主任は記者の取材に対し、隠すことのできないFDIのもたらすマイナス影響を次のように挙げた。
(1)外資がもたらした経済繁栄は、中国GDPの急成長につながった。しかし中国の国民総所得(GNI)はGDPのような急成長をしていない。中国には「増産しても増収にはつながらない」「繁栄が豊かになるとは限らない」現象が現れた。
(2)多国籍企業による中国の技術成長への影響を探る時、製品技術の体現を、これら製品の開発、設計、生産の技術能力と混同して語ってはいけない。調査によると、中国に進出している圧倒的多数の有名な多国籍企業は契約によって真剣に技術移転を行っている。かつこうした移転技術の大多数は先端技術だ。問題なのは、一部業種の中国企業が多国籍企業と協力する過程において、こうした技術移転を自らの技術革新能力に導入、消化、刷新していないことだ。このため、中国の現地企業は多国籍企業が提供する技術に依存し、絶えず技術導入の受動的地位に甘んじている。
(3)中国の世界貿易機関(WTO)加盟以来、多国籍企業の中国における投資経営環境は徐々に広がった。多くの多国籍企業は地域本部や運営センターを設立して徐々にグループ化を実現させ、その競争力を著しく強化してきた。多国籍企業はその市場における優位な地位を利用して、競争をコントロールする能力をより強めてきた。
(4)FDIの利用効率は多くはない。GDPに対するエネルギーの利用効率は依然として高くはない。これは多くの地方の優遇政策の氾濫と関係がある。
「人民網日本語版」 2005年2月17日
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