専門家の指摘では、昨年、中国の農産物貿易赤字を招いた原因は多方面に渡るが、国内需給情勢の変化が決定的要因だとしている。
農産物の輸入増加を恐れる必要はない。重要なのは輸出入構造をうまく調整することで、最大限度に比較的優位性を発揮できる。
農業部の担当者は「中国は昨年、農産物の国際貿易で初めて輸入超過となったが、世界貿易機関(WTO)加盟から3年が過ぎ、対応措置は比較的強く、いくつかの国際環境の有利な変化も加わって、WTO加盟が中国農業のもたらす実質的衝撃は当初予想されたものほど際立つものではなかった」と話している。
中国農業の未来の発展は、日増しに開放されていく国際市場環境の中に身を置くことになるだろう。農産物の輸出も輸入も増えていくのが必然的趨勢だ。農業部の担当者は「農産物の輸入増加を恐れる必要はない。重要なのは輸出入構造をうまく調整することで、最大限度に比較的優位性を発揮して、農産物の国際競争力を高めることだ」と強調している。
まず、WTO加盟後の過渡期に、WTOの「緑の箱」と「黄色の箱」の政策をうまく使うことによって、農業に対する支援、保護の力を強めることができる。
WTO規則に基づき、広義の農業補償は「緑の箱」政策となるだろう。例えば、公共基金や財政支出が提供する一般的な農業生産サービスや、食糧供給を保障するため支払う備蓄費用、自然災害助成金などだ。「黄色の箱」の措置は、政府による農産物の直接価格に対する関与と補償のことを指す。中国政府が認める「黄色の箱」の補償額は、農業総生産額の8.5%に相当する。しかし、中央財経領導小組弁公室の陳錫文副主任はこのほど記者会見で「わが国政府は農民にいくらかの補助金を支給しているが、しかし最終的に認められている割合からはまだ差額が大きい」と説明した。
その次に、輸出志向型農業をこれから大きく発展させなければならない。優位な農産物産業地帯の建設を加速し、輸出に優位で、輸入品との代替効果のある農産物の輸出を大きく広げていかなければならない。農業の標準化を進め、農産物の質の基準と検査体制を健全に築き、農産物の質の安全レベルを高めなければならない。
さらに、農業の「外へ打って出る」戦略の力を強め、われわれの技術的優位性を発揮し、国外農業資源を利用し、国内農産物と農業技術製品の輸出を主導していく。同時に農産物の国際販売促進サービスを強めていかなければならない。見本市や展示即売、推奨などの措置を通して、優れた農産物の輸出を促進していく。特に例えば野菜、果物、生花など労働集約型商品の輸出を積極的に進めていかなければならない。
「人民網日本語版」 2005年2月18日
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