経済視点 農業の貿易赤字をどうするか(1)


中国の農産物貿易は昨年、初めて55億ドルの輸入超過となった。中国の農産物貿易赤字をどう見るべきだろう。中国の農産物は日に日に激しさを増す国際競争にどう対応すべきだろう。こうした問題について、農業部の担当者に話を聞いた。

高額の貿易赤字となった原因は多方面にわたる。だが、国内需給情勢の変化が決定的要因だ。税関の統計データを見ると、農産物貿易で高額の赤字となったのは、穀物食糧類、綿花やサトウキビ、甜菜など工業原料農産物、畜産製品の3大農産物だ。この3大農産物は赤字の原因がそれぞれ異なっている。

2003年、中国の食糧生産量はここ数年来で最低にまで落ち込んだ。04年に中国は食糧生産を刺激する一連の政策措置を実施した。同時に農産物貿易で、主要農産物の輸出割当を減らし、農産物の輸入を刺激する奨励措置を増やした。このほか、04年に国内主要農産物の価格が再び上がり始めた。上昇幅は30―40%に達し、政府と企業はいずれも自発的に大量の食糧を輸入した。それによって、04年の中国の食糧輸入量は常規を超えるほど大きく伸び、この巨額の貿易赤字形成に極めて重要な影響を及ぼした。

世界的な服飾・繊維製品の割り当て額が05年初めに全廃されたことから、国内繊維企業は輸出チャンスの到来を見込み、原料の綿花の備蓄を続々と増やした。昨年の中国産綿花は豊作だったものの、それでも国内市場は供給が需要に追いつかず、輸入は激増した。

畜産製品の貿易赤字は、04年初めの鳥インフルエンザの大規模発生がもたらした壊滅的影響と密接に関連する。

                   「人民網日本語版」 2005年2月18日